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第1種圧力容器取扱作業主任者

圧力容器のなかでも、内部の圧力が大気圧より高く、沸点以上の液体を保持し、内容積が0.2平方メートルの容器を取り扱う場合、第1種圧力容器取扱作業主任者が必要で、「普通」と「化学設備関係」に分かれています。2日~3日間の技能講習を経て、修了試験に合格することで取得できます。

資格詳細
圧力容器とは、内外の圧力に耐えられる密封容器として、法規で厳格に規定され、設計されているものです。私たちの身近なものである圧力鍋も圧力容器の一つといえます。圧力容器は、第一種・第二種・小型などの種類に区分されており、第一種は内容量が0.2m3の容器で、容器内の圧力が大気圧より高く、沸点以上の液体の保有が可能です。第一種は、普通第一種圧力容器取扱作業と化学設備関係第一種圧力容器取扱作業の2つの主任者に区分されています。どちらも講習と修了考査で資格を取得できます。「普通」の場合は受講資格に条件はありませんが、「化学設備関係」の講習を受講するには、5年の実務経験が必要です。労働安全衛生法が規定している第1種圧力容器を取り扱う事業者は、作業主任者を有資格者の中から選任する必要があります。選ばれた作業主任者は、現場で作業方法や作業員の安全確保などの監視・指導を行います。

活躍場所
圧力容器取扱作業主任者の資格を持っていると、化学設備関係企業や危険物を製造する工場などで、安全面などの監督・指導にあたる責任者としての活躍が期待されます。求人数は決して多くはありませんが、有資格者ともなると応募が限定されますので、選考では有利になるでしょう。

収入と将来性
第1種圧力容器取扱作業主任者としての年収はわかりませんが、第一種圧力容器取扱作業主任者を歓迎している企業の求人情報では、一般の平均的な年収より低めです。ただし、有資格者のみが扱うことができる業務であり、さまざまな場でニーズがある仕事ですので、仕事につながりやすい資格です。資格手当で年収アップも期待できるでしょう。また、普通第1種圧力容器を設置する事業所では、作業主任者の資格保有者を設置することが法律で義務付けられているため、特に危険物を製造する工場などで需要が多く、活躍が期待されます。活躍の場は都市部のメンテナンス会社や工場などだけでなく、地方にも働ける場があるため、全国的に求められる資格として、今後も安定した需要が続くといえます。

向いている人
圧力容器は、取り扱いに注意しないと事故につながる可能性もあるため、作業主任者として責任をもって職務を行い、仕事に手を抜かない人に向いています。仕事内容によっては体力も求められます。

取得方法
この資格は、2日間の講習と最終日に受ける修了考査に合格することで取得可能です。第一種圧力容器取扱作業主任者に限りませんが、講習を受講後の修了考査は講習中に素行が悪かったり、講義を聞かずに居眠りばかりしていたり、などのトラブルがなければ、ほとんどの受講者が合格しています。とはいえ、不合格者が全くいないわけではないので、しっかり勉強することが重要です。なお、受講者の話では、修了考査の問題の90%は、講習中に講師が指摘した重要ポイントから出題されているようですので、講習中は集中力を切らさずに講師の説明を聞き漏らさないことがポイントです。1日目の講習が終わったらその日のうちに重要ポイントをしっかり復習しておくことと、2日目の重要ポイントについては講習終了後からテスト開始までの間に良く見直す必要があります。



第1種圧力容器取扱作業主任者資格の難易度偏差値

普通 化学
偏差値0 偏差値0
判定不能
判定不能
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 第1種圧力容器取扱作業主任者技能講習 修了
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

第1種圧力容器取扱作業主任者資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
国家資格 キャリアアップ(良) 必置資格 横綱クラス 講習

第1種圧力容器取扱作業主任者試験概要

受験資格
普通:
不問
化学:
化学設備の取扱い作業に5年以上従事した経験
試験内容 各都道府県による技能講習を受講し、修了試験に合格することで取得できる。

普通第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習

・第一種圧力容器(化学設備に係るものを除く)の構造に関する知識
・第一種圧力容器(化学設備に係るものを除く)の取扱いに関する知識
・関係法令
・修了試験

化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習

・第一種圧力容器の構造に関する知識
・第一種圧力容器の取扱いに関する知識
・危険物および化学反応に関する知識
・関連法令
・修了試験
合格率 非公開
願書受付期間 都道府県により異なる
試験日程 都道府県により異なる
普通:
年6回程度(2日間)
化学:
年2回程度(3日間)
受験地 全国各地
受験料 都道府県により異なる
合格発表日 都道府県により異なる
受験申込・問合せ 一般社団法人 日本ボイラ協会の各支部

東京支部

〒105-0004 東京都港区新橋5-3-1 JBAビル2F
TEL 03-5425-7770
ホームページ 一般社団法人日本ボイラ協会 | ボイラー・圧力容器の技能講習、特別教育
http://www.jbanet.or.jp/training/skill_2/

第1種圧力容器取扱作業主任者のレビュー

(1件)
佐川
圧力容器の番人です

2019年12月12日
ボイラー同様に、多量のお湯を使用する際に容器にためた水を加熱して利用することがあります。
熱源が容器とセットになっているものボイラー、外部から他の熱源を利用するものを圧力容器として法令では区別されています。
ボイラーや圧力容器は、その名の通り内部に圧力がかかることから、取り扱いを間違えると爆発など大きな事故につながります。
このため、安全に取り扱うよう法令で主任者の選任が義務付けられています。
資格は、机上の技能講習を受講して修了試験に合格することで取得することができます。
実際の現場では、日常の圧力・温度などの計器監視のほか、配管や容器からの漏えいの有無、異音・異臭など五感をフルに活用し、以上の兆候がないか確認します。
この他、定期的に容器の点検を行い、国の機関の検査を受ける必要があります。作業主任者はこの検査に立ち会い、検査官の検査助勢を行います。
作業主任者は、圧力容器の使用により爆発など大きな事故を起こさないよう、普段の日常監視や定期点検・修理などが確実に行われているかを見守る番人だと思います。
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