資格の取り方 » 国家資格 » 工業 » エックス線作業主任者

エックス線作業主任者

エックス線作業主任者は、製品の品質検査などに際してエックス線装置を使った作業をおこなうができる国家資格です。

資格詳細
エックス線を使用する現場で作業する人たちが不必要に被爆せずに安全に作業できるように、検査装置の管理や点検を行うのがエックス線作業主任者です。つまり、エックス線を使用する作業現場に従事する人たちの健康を守る大切な仕事と言えます。エックス線が放射される場所にエックス線作業主任者の免許取得者をおくことが労働安全衛生法の規定で義務付けられています。そのため、エックス線による探傷検査や分析といった非破壊検査を行う作業現場では必須の資格です。なお、医療用の用途でエックス線を使用する際は別の免許が必要です。2011年の東日本大震災で原発事故が起き、放射線が人体に与える危険度に多くの人が関心を示したと思いますが、エックス線の人体への影響などの分野もこの資格試験に含まれます。年齢・性別・学歴、実務経験などの制限はなく、だれでも受験可能です。受験者数はそれほど多くないですが、年間の試験回数は3~6回と他資格に比べると多めです。

活躍場所
活躍できる場所はエックス線を使用する検査を行う場所になるため、非破壊検査や分析などを行う検査会社に勤務する人が多いと言えます。また、製造業や造船業、機械設備関連企業の検査部門を始め、建築関連、貴金属取り扱い業者、鋳物メーカー、商社、美術館や博物館など、活躍できる場は幅広いです。また、怪しいカバンなどが道に置かれている場合の処理などでも中身の確認のため、エックス線による写真撮影を行うなど、行政やエックス線機器の関連会社でも需要があります。

収入と将来性
単独での収入は決して高いとはいえませんが、ほとんどの企業で資格手当が支給されます。関連した他の資格、例えば「ガンマ線透過写真撮影作業主任者」などを取得するとより高い収入が得られるでしょう。エックス線はさまざまな業界で使用されているため、エックス線作業主任者は今後も需要があり、エックス線を扱う現場で仕事を管理するリーダーとしの活躍が期待されます。特に、非破壊検査を行う現場で非常にニーズが高いです。

向いている人
エックス線を取り扱う作業は非常に危険を伴うため、使用する用具の点検、標識の設置、エックス線量の調整といった数多くの作業が必要です。そのような作業をこまめにきちんと行える人がこの資格に向いているでしょう。また、工業製品等を壊さずに中身の構造や状態をエックス線を使って確認する仕事などもあるので、製品検査などに興味がある方にも適しています。

取得方法
試験問題の出題は4つの分野に分かれています。この資格試験の合格者の話によると、エックス線の基礎知識が問われる「エックス線の管理に関する知識」の分野は、数式を使って計算したり、物理現象を理解したりなど、4分野の中でも一番難しいので、勉強時間をこの分野に多くかけると良いそうです。「関係法令」は法律をただ丸暗記するのではなく、過去問を解き続けることが短時間で効率的に覚えられる方法と言えるようです。法律問題は知っていれば点が取りやすいので、ここで点数を積み上げておくと良いでしょう。おすすめの参考書は、「エックス線作業主任者試験 徹底研究」、「やさしく学ぶエックス線作業主任者試験」など。過去問題集がAmazonで購入できますが、「X線作業主任者過去問」のワードで検索すると、ダウンロードできるサイトがいくつかありますので利用しましょう。



エックス線作業主任者資格の難易度偏差値

偏差値45
簡単
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 エックス線作業主任者免許 取得
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

願書受付
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
試験日
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
合格発表
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

エックス線作業主任者資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
国家資格 特になし 業務独占・必置資格 大関クラス 独学 通学

エックス線作業主任者試験概要

受験資格 不問
試験内容 ・エックス線の管理に関する知識
・関係法令
・エックス線の測定に関する知識
・エックス線の生体に与える影響に関する知識
合格率 63.3%
願書受付期間 実施ブロックによる
試験日程 実施ブロックによる(年3~6回・奇数月)
受験地 各ブロックの安全衛生技術センター
(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・九州)
受験料 6800円
合格発表日 試験日に合否発表日を告知
受験申込・問合せ 各ブロックの安全衛生技術センター
(北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・九州)
ホームページ 資格の紹介(エックス線作業主任者)
http://www.exam.or.jp/exmn/H_shokai701.htm

エックス線作業主任者のレビュー

(1件)
堀部明仁
コンクリートや配管のレントゲン検査を行う仕事です

2019年11月07日
橋げたやビルの柱などコンクリートでできた構造物や、金属の配管などの内部が健全であるか検査をする際、そのものを破壊してしまわないように、人間と同じくX線写真を撮影することがあります。
検査の際は、人間と違って、病院に来てもらうわけにはいかないため、X線装置をその場所にセットして撮影を行います。
その際に、X線により周囲の人が被ばくしたりしないよう、安全管理を行う主任者の選任が法令で義務付けられています。
通常は、試験に合格して免許が交付されますが、私は第1種放射線取扱主任者の資格を取得しているため、都道府県の労働局に申請するだけで免許がもらえました。
同じ資格を持っている方は、是非申請して免許を取得してください。
実際の現場では、本来その場所でX線を使用することを想定していない場合が多いため、周囲の一般の方が被ばくしないよう、立入禁止のためのロープによる区画や赤色回転等による注意表示の場所など、事前の計画を綿密に検討します。
X線は目に見えないため、安全に作業が行えるよう細心の注意を払っています。
このレビューを16人中12人が評価しています