アナウンス検定

アナウンス力検定は、話し言葉のプロとして、日本語を正しく的確に話すための知識があるかを問う試験です。合格すれば、日本語の正しい発音や発声などの力、アナウンサーに求められる一般常識や表現が身についていることの証明になります。これまではアナウンス検定として、1級から3級までの検定試験を「一般社団法人日本話しことば協会」が主催していましたが、日本話しことば協会は、令和2年に「一般社団法人話しことば研究機構」を設立し、日本語アナウンス力検定として2・3級を実施しています。3級は社内放送などを行えるレベル、2級はDJ、司会などのレベルとされています。受験資格の制限はなく、どなたでも受験でき、2・3級の併願も可能です。試験は筆記と実技、事前課題もあります。ちなみに2022年の事前課題は課題内容「私のストレス解消法」を60～90秒以内に読み上げるものでした。当日問題では、共通語での発声と発音、朗読作品を読む力、即答スピーチ力などが試されます。実技テストは、当日採点と、録音、録画したものを審査員が採点し、AからEまでの5段階で評価します。3級はC以上、2級はB以上が合格レベルです。

代表的な職業はアナウンサーですが、アナウンサーは狭き門ですので、本資格の取得により就職で有利になるわけではありません。アナウンサー以外にも、ニュースや情報番組などのリポーター、ラジオ番組で司会・進行を担うラジオパーソナリティ、イベントなどの司会・進行を行うイベントMCなどで活躍できるでしょう。

アナウンサーとして正社員で入社した場合、給料は一般の会社員と同様に年功序列で上がります。例えば、人気のアナウンサーになったとしても、特別に昇給があるわけではないようです。ただし、局アナから転身したフリーランスのアナウンサーであれば、人気次第ではかなりの年収が期待できます。その他、リポーターやナレーター、イベントMCなどは働く形態にもよりますので、収入はさまざまです。近年はインターネットによりエンターテイメントが多様化したことで、各放送局の経営は厳しくなりつつあるのが現状です。これからアナウンサーなどを目指す人には、インターネットを活用した放送などのチャンスもあるのではないでしょうか。

ラジオやテレビなどのメディアで活躍したい方におすすめの資格です。具体的には、人に伝わりやすい話し方ができる人、コミュニケーション能力が高い人、さらに人前に出る仕事が多いので、清潔感があり、好感をもたれるタイプの人に向いているでしょう。また、一般常識とマナーは言うまでもなく、場の雰囲気を読み取る柔軟性、マネージメント能力も必要です。

勉強方法についての情報が少ないようですが、テキストは「日本話ことば協会」のHPで販売している「話しことばとコミュニケーション」のテキストと問題集が「アナウンス力検定」の学習にも使えるようです。テキストと問題集のどちらもCD付きです。3級と2級それぞれありますので、テキストと問題集に取り組んでみましょう。また、実技のアナウンステストでは、響きのある良く通る発声か、明瞭で正しい発音か、アクセントは正しいか、表現力のある話し方かなどが審査されます。アナウンス力検定の難易度はそれほど高くないといわれていますが、対策をしっかりして試験に臨みましょう。