DPC/PDPS初級技能認定試験

入院患者の医療費算定方法は、2003年4月からDPC/PDPS方式に変更されました。それ以前は、診療で行った検査や注射、投薬などの料金を一つひとつ計算する出来高払い方式でした。しかし、DPC/PDPS方式では、特殊なケースを除き、その傷病に必要な診療や投薬をまとめて1日当たりに必要な費用（点数）として計算されます。この方法は、診断グループごとに決められた1日あたりの点数で医療費を算定するものであり、通常の請求手続きとは異なる包括的な支払い方法です。そのため、DPC/PDPS方式に対する知識と計算スキルが求められます。そこで、厚生労働省は、入院患者の病名や症状、診療行為に基づいて医療費を算定する基本的な知識と実務スキルを評価する「DPC/PDPS初級技能検定試験」を導入しました。DPC/PDPS方式は現在、一般病床の約半数で導入されており、今後さらに普及が予想されるため、医療事務担当者にとって必須の知識となるでしょう。この試験は初級のみで、中級や上級の段階は存在しませんが、資格取得者は医療機関で医師をサポートする役割を果たすことが期待され、注目されています。

病院や診療所などで、医療事務担当者として働くことができます。DPC/PDPS方式は、当初は82の特定機能病院で導入が始まりましたが、現在では一般病床の約半数がこの方式を採用しています。とくにDPC対象病院にとって、DPC/PDPSの資格者は貴重な人材と言えるでしょう。今後もさらに多くの場で活躍の機会が増えていくことが予想されます。

医療事務の職種は、一般的な民間企業の事務職と比べて収入がやや低いとされています。しかし、特定の業務、例えばレセプト業務などでは専門知識が必要であり、資格や経験、スキルによっては、高い収入が期待できる場合もあります。また、DPC/PDPS方式の普及は現在進行中であり、今後さらに広がることが予想されます。そのため、医療関連の仕事をこれから目指す人は、DPC請求方式に関する知識を習得しておくとよいでしょう。将来的には、DPCは民間病院でも一般的になると予想されるため、DPCによる診療報酬の算定知識は、医療事務者にとって必須のスキルになると言えます。

DPC/PDPS初級技能認定試験の資格は、DPC対象病院でのキャリアを追求したい方や医療事務のスキル向上を望む方におすすめの資格です。また、医療事務管理士の資格を持っている方は、本資格も併せて取得することが推奨されています。

DPC/PDPS初級技能認定試験は、学科と実技の両方で資料を参考にして答案を作成できるため、それほど難しいものではありません。しかし、診療報酬や点数の計算方法をはじめ、レセプトの作成方法などについて最低限の知識が必要です。そのため、独学で不安を感じる場合は、通信教育などの利用を検討すると良いでしょう。適切な診療報酬を計算するには、さまざまな病名や症状、それに基づく診療行為を把握する必要があります。また、最低限、症状に応じた薬の種類なども覚えておくことが必要です。特に、請求と支払いの仕組み、診療報酬点数の計算方法、そしてレセプトの作成に関する知識は必須ですので、しっかりと勉強しておきましょう。