ジャッキ式つり上げ機械運転者

ジャッキ式つり上げ機械とは、ワイヤーロープなどのつり材を使用して動力によって荷物のつり上げやつり下げをするための機械で、建設現場や工事現場では欠かせない機械の一つです。ジャッキ式つり上げは重い荷物を扱うこともあり、危険を伴う作業になります。60トンから重たいものになると5000トン位になります。そのため、この機械の使用については、災害防止のために特別教育（講習）が義務付けられており、運転者はこの機械の調整や運転についての知識と技能を認定する国家資格を取得して業務に臨んでいます。機械の使用に際しては、作業方法や順序などを示す適切な作業計画を作成して実施する必要があり、この実際の作業を行うのがジャッキ式つり上げ機械運転者です。各都道府県の労働基準局または労働基準監督署などが講習を実施し、学科と実技の両方の講習があります。受講資格は18歳以上で、実務経験は問われず、講習のみで修了考査などの試験もありません。取得しやすい国家資格ですので、建設業界で活躍の場を広げたい方や転職を考えている方にとって最適な資格といえるのではないでしょうか。

就職先は建設会社や土木関係の会社などが多く、大型建設を請け負う会社、もしくはその下請け企業で働くことになります。建設現場で橋桁や大屋根など重たい荷物をつり上げする工事で活躍します。

ジャッキ式つり上げ機械運転者の資格だけで仕事ができるのではないため、この機械運転者としての年収はわかりませんが、建設機械運転工の年収は一般の平均年収よりやや低めです。なお、有資格者には特別手当を支給する企業も多く、他の建築関連企業への転職の際には有利になります。また、ジャッキ式つり上げ機械運転者は業務独占資格となっており、現場において有資格者は欠かせない存在ですので、今後も一定の需要があると考えられます。

非常に重い物をつり上げたりつり下げたりする作業はつねに危険を伴うため、慎重に作業できる人に向いているでしょう。また、作業の方法や順序を示した作業計画を策定し、その計画に基づいて行う必要がありますので、正確さや計画性も求められます。現在、関連企業や工事現場で働いている方は、仕事の範囲を広げるためにも取得しておくとよいでしょう。

この資格に関する専門知識を持っていない人も、講習を受けて学びながら資格を取得できます。受講資格は18歳以上で、実務経験は問われないため、受講者の大半は実際にジャッキ式つり上げ機械を操作したことがない人ばかりです。4時間の実技講習でジャッキ式つり上げ機械の実際の調整や運転について学んでいきます。学科講習では、機械の基本的な知識や調整方法、関係する力学の知識、関係法令などを学びます。