公認内部監査人
公認内部監査人(CIA:Certified Internal Auditor)とは、アメリカに本部を置く内部監査人協会(IIA:The Institute of Internal Auditors)が認定する国際資格で、企業などの組織における「内部監査」の知識や技能を証明できる世界標準の民間資格です。日本国内でも各地のピアソンVUEテストセンターにて、コンピュータ上で受験できます(CBT試験)。大卒以外の場合、受験には一定の実務経験年数が必要になります(5~7年)。
資格詳細
企業経営の環境がグローバル化に伴い急激に変化している現代、内部監査は極めて重要な役割を果たしており、内部監査を担う監査人には高い能力が求められています。公認内部監査人(CIA)は、その監査人の能力を証明する資格であり、「Certified Internal Auditor」の略称です。1974年にアメリカで始まり、現在では世界約190カ国で18の言語で試験が行われています。1999年からは日本語での試験も始まり、2021年までに資格取得者数は約10,600人に増加しました。CIA試験を受験するには「教育要件」と「推薦」の両方が必要であり、さらに所定の実務経験が求められます。資格取得だけでなく、CIA資格を維持するためには、知識や技能をアップデートする必要があり、継続的専門能力開発制度が導入されています。
活躍場所
CIA資格取得者は、内部監査の国際基準に対する知識をはじめ、財務会計や管理会計、IT、経営学など、ビジネスに必要な広範な知識を体系的に習得しているため、グローバル企業の内部監査部門だけでなく、会計事務所やコンサルティング会社など、多岐にわたるビジネス分野で活躍することができます。
収入と将来性
公認内部監査人の年収は一般的に高水準です。特に金融機関や大手企業では、内部監査の重要性により資格保有者が優遇され、高給与で採用されることがあり、監査法人での内部監査経験がある場合は、平均以上の年収が期待できます。英語スキルも重要なファクターであり、外資系企業やグローバルな環境での業務に従事する場合は、高い報酬が期待できるでしょう。近年のビジネス環境ではM&Aなど企業間のグローバル取引が拡大し、事業活動がより複雑化しています。これに伴い、子会社や関連会社を含むリスク管理や内部統制の向上が求められ、内部監査の重要性が一層高まっています。特に大企業や上場企業では不正の抑止・防止に向けた意識が高まっており、これに対応する公認内部監査人は不可欠な存在です。このような時代の変化に伴い、内部監査の重要性が認識され、公認内部監査人の需要が増加していると言えます。
向いている人
公認内部監査人の資格は、企業の財務会計部門や内部監査部門、会計事務所に勤務する人、さらに経営・財務を学ぶ大学生や大学院生におすすめです。本資格はグローバルに活躍したい方や、海外や外資系企業の内部監査の職務を志望する方にとっても有益な資格と言えます。
取得方法
公認内部監査人の資格は、他の試験と異なり、過去問やテキストが少ないため、自己学習での合格は難易度が高いと言えます。監査の理論や手順を正確に理解する必要があり、専門の資格スクールで指導を受けることが望ましいです。ただし、CIAは論述試験ではなく選択試験を採用しているため、挑戦しやすいと言えます。試験科目は3つのパートに分かれていますが、「内部監査に関する知識」には財務会計や管理会計の問題も含まれており、すでに会計士や税理士として経験がある方には比較的容易です。また、IIAは「専門職的実施の国際フレームワーク」を発行しており、内部監査の専門家が必要とする適切な情報を提供しています。実務の手引きだけでなく、CIA資格試験の学習教材としても使用されているもので日本語版もありますので、関心がある方は確認してください。さらに、CIA試験対策Webアプリを利用すると、合格に必要な知識を効果的に習得できます。
公認内部監査人資格の難易度偏差値
難関 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 公認内部監査人 取得
所轄・主催:
一般財団法人日本内部監査協会
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
2020年資格日程
願書受付
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
試験日
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
合格発表
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
公認内部監査人資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
民間資格 | 就職や転職にすごく有利 | 特になし | 関脇クラス | 特になし |
公認内部監査人試験概要
受験資格 | ・4年制大学を卒業した者 ・短大または高専を卒業後、5年以上の実務経験がある者 ・7年以上の実務経験がある者 |
試験内容 | CIA Part 1: 内部監査の基礎・拘束的な性格を持つガイダンス ・内部監査の定義 ・倫理綱要 ・内部監査の専門職的実施の国際基準 ・インターナルコントロール/リスク ・コントロールの種類 ・マネジメント・コントロール手法 ・インターナルコントロールのフレームワークの特徴及び利用法 ・代替コントロール・フレームワーク ・リスクの用語と概念 ・不正リスクの認識 ・監査業務実施のためのツールと技術 ・データ収集 ・データ分析と解釈 ・データ報告 ・文書化・監査調書 ・フロー・チャート作成を含むプロセス・マッピング ・監査証拠の関連性、十分性、正当性を評価する CIA Part 2: 内部監査の実務・内部監査部門の運営管理 ・内部監査の戦略的役割 ・内部監査の業務運営上の役割 ・リスクベースの内部監査計画の策定 ・個々の監査業務の管理 ・監査業務の計画 ・個々の業務の監督 ・監査業務の結果の報告 ・監査結果のモニタリング ・不正リスクとコントロール CIA Part 3: 内部監査に関する知識・ガバナンス/ビジネス倫理 ・コーポレート・組織的ガバナンス原則 ・環境的社会的安全対策 ・企業の社会的責任 ・リスク・マネジメント ・リスクマネジメント手法 ・リスクフレームワークの組織的活用 ・組織構造とビジネスプロセス ・コミュニケーション ・経営管理・リーダーシップ原則 ・IT・事業継続 ・財務管理 ・グローバルビジネス環境 |
合格率 | 15%程度 |
願書受付期間 | 随時 |
試験日程 | 随時 |
受験地 | 札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・大阪・広島・松山・福岡・那覇 |
受験料 | CIA Part 1: 43000円CIA Part 2: 37000円CIA Part 3: 37000円※初回受験登録料として24000円が必要 |
合格発表日 | CBT試験後、即時 | 受験申込・問合せ | 一般社団法人 日本内部監査協会 企画調査部国際・資格課 〒104-0031 東京都中央区京橋3-3-11 VORT京橋8F TEL:03-6214-2232 FAX:03-6214-2234 |
ホームページ | CIA認定資格試験ガイド|一般社団法人日本内部監査協会 http://www.iiajapan.com/certifications/CIA/ |