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乾燥設備作業主任者

インスタントラーメンなどの食品や薬品の生産工場、自動車の塗装工場などには、大規模な乾燥設備があります。乾燥設備作業主任者は、それら大量の電力や燃料をもちいる設備および有害な溶液などの危険物をともなう設備にて、事故や健康被害を防止して作業者の安全を確保するための国家資格です。一定以上の規模の乾燥設備では、この有資格者の設置が法的に義務づけられています。資格は講習で取得できますが、実務経験が必要です。

資格詳細
食品や医薬品などの工場では、特定の物を加熱乾燥させるために、熱源を用いる乾燥室や乾燥機が設置されています。それらを乾燥設備と呼んでいますが、中でも危険物を取り扱う設備では、トラブルが生じる可能性が高いため、乾燥設備作業主任者がきちんと管理することが必要です。法律により指定されている危険物を扱う時には事業者は必ず乾燥設備作業主任者の有資格者を選任することが労働安全衛生法により規定されています。乾燥設備作業主任者としての職務はさまざまですが、まず、乾燥設備作業が初めての労働者に作業方法を周知させ、直接指揮を行います。また、乾燥設備内の温度や換気、乾燥物の状態などを常に点検して、異常が見つかった場合に早急に措置をとることや、可燃性の物を置かないように整理整頓をして注意する必要があります。この資格は乾燥設備作業主任者技能講習を受けて修了考査に合格し、事業者から選任されることで、乾燥設備作業主任者として仕事ができます。講習を受けるには、18歳以上であることと、実務経験が必須です。また、卒業した学校の種類により求められる実務経験の年数が異なりますので、まずは受講資格がクリアできているかの確認が必要です。労働安全衛生法で定められている国家資格として一定の需要がある資格ですので、持っていると転職の際にも有利になるでしょう。

活躍場所
食品加工会社、医薬品会社、製紙会社、印刷会社などに就職して、乾燥設備のある工場で活躍できます。

収入と将来性
乾燥設備作業主任者の年収は、比較的高収入です。特に大手企業に就職すると、高収入が期待できますが、中小企業でも安定した収入が見込めるようです。昇給は、一般的に年収にして100万円単位とされています。資格を取得していると現場の責任者からの信頼度が高く、より多くの仕事を任されるようになるため、収入増加につながるようです。乾燥設備作業主任者は、乾燥設備内の労働災害防止のために必要な特殊技能を持っているため、企業内での昇進や昇格も期待でき、今後も安定したニーズがあるといえます。

向いている人
乾燥設備作業主任者は乾燥設備を使用した現場の作業での必置資格ですので、現在関連企業に従事されている方がキャリアアップのために資格を取得されるとよいでしょう。基本的には、労働災害を防止するために、しっかり対策を講じることが大切ですので、どのような場合に危険でどのような被害が考えられるかなど常に冷静に理解している人が求められます。

取得方法
講習を受講し、修了考査に合格することで資格を取得することができるため、取得しやすい国家資格のようです。しかし、講習を受講するには学歴や実務経験が問われますので、まずは受講資格をクリアしているか確認しておきましょう。修了考査はしっかりと講習を受けておけば問題なく合格できるとされていますが、合格点の基準が決まっているので、油断せずに試験に臨む必要があります。試験対策としては、労働基準法の法令、乾燥設備に関する加熱装置や換気、安全装置に関するものなど作業現場で扱うものを中心に覚えておくと良いようです。



乾燥設備作業主任者資格の難易度偏差値

偏差値0
判定不能
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 乾燥設備作業主任者 取得
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

各都道府県により異なる
願書受付
試験開催地によって願書受付日等が異なります。
試験日
試験開催地によって試験日等が異なります。
合格発表
試験開催地によって合格発表の日等が異なります。
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

乾燥設備作業主任者資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
国家資格 専門的資格(可) 必置資格 横綱クラス 特になし

乾燥設備作業主任者試験概要

受験資格 ・満18歳以上
・5年以上、乾燥設備の設計等または取扱作業に従事した経験を有する者
取扱作業に従事した経験を有する者
・大学または高専において理科系の学科を卒業し、1年以上、乾燥設備の設計等または取扱作業に従事した経験を有する者
・高校において理科系の学科を卒業し、2年以上、乾燥設備の設計等または取扱作業に従事した経験を有する者
試験内容 講習内容
・乾燥設備およびその附属設備の構造および取り扱いに関する知識
・乾燥設備、その附属設備等の点検整備および異常時の処置に関する知識
・乾燥作業の管理に関する知識
・関係法令
・修了試験
合格率 試験なし
願書受付期間 都道府県により異なる
試験日程 都道府県により異なる(年4回)
受験地 全国各地の講習機関
受験料 都道府県により異なる(14000円程度)
合格発表日 講習修了後
受験申込・問合せ 各都道府県の労働基準局、労働基準監督署、労働基準協会
ホームページ 公益社団法人 東京労働基準協会連合会:乾燥設備作業主任者技能講習会 ご案内(日程選択)
https://www.toukiren.or.jp/subject/guide.php?sub=7

乾燥設備作業主任者のレビュー

(1件)
松本さん
乾燥設備にも作業主任者選任が必要です

2020年04月18日
仕事で業務用の乾燥機を使っていることから、知識習得のために受講をしました。
法令上は、乾燥設備のうち、熱源で可燃物や酸化物(有機溶媒や薬剤)を乾燥する設備を使用する際に必要な資格です。
講習は机上のみですので、難易度は高くないです。しかし、あまり新聞やテレビなどで報道されないため、知られることがほとんどないですが、
熱源で可燃物を加熱することから、発火や爆発といった事故が多いそうです。
必然的に、講習の内容も事故防止に時間が割かれており、基本ルールを守ることの重要性を再認識しました。
資格を取得してから現場に入ってみると、設備の取り扱いにより一層慎重になったほか、設備周囲に可燃物が無いか、
というような防火の観点で現場を見つめることができるようになりました。また、実際に働いていただいている現場の作業員さんとも、
あらたな災害防止の視点を共有できるようになり、安全確保に向けてみんなで取り組んでいければと思っています。
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