資格の取り方 » 民間資格 » ビジネス » 金融業務能力検定

金融業務能力検定

金融機関がおこなう主要な業務のひとつに「融資」があります。法人や個人に資金を貸し、利息で利益を得るわけですが、どんな相手にも貸すというわけにはいきません。融資担当者には確実に返済できる相手を見極める能力などが必要です。金融財政事情研究会が実施する金融業務能力検定には、融資の実務能力を認定する種目として、多数のコースが用意されています。日常の融資実務に密着した問題を幅広く出題する実践的な検定です。

資格詳細
金融業務能力検定は1975年に開始され、現在では多数の試験種目が提供されています。金融機関の業務は多様で複雑化しているため、広範な知識とスキルが必要です。この検定は、金融業界における基本的な業務知識と実務対応能力を評価するもので、若手から中堅、役職者まで幅広く活用されています。試験は、預金、融資、法務、財務、税務などのカテゴリーごとに異なる難易度のレベルが用意されており、コンプライアンスやリスク管理に関する知識を持つためのコンプライアンス・オフィサーや個人情報保護オフィサーの試験、さらに最新のテーマであるAML/CFT、事業承継・M&A、DXなども試験内容に含まれています。金融業務融資コースは3級と2級に分かれ、3級は融資実務全般の基礎知識と融資実務上の判断力を評価し、2級は実践的な知識と判断力を検証するものです。この検定は、知識だけでなく実務遂行能力も評価し、実務家から成る試験委員が独自の専門知識を活用して出題しています。また、通信教育講座と試験問題集と連動しており、一貫性のある教育効果を期待できることが特徴です。2021年からはCBT方式で全試験項目が実施され、受験機会が拡大し、利便性が向上しました。

活躍場所
金融業務能力検定の有資格者は、銀行や証券会社、保険会社などで、融資の業務、税金相談、預金関連業務などの業務で活躍できます。金融面での専門性を証明できるため、一般企業への就職・転職にも有利です。

収入と将来性
金融業務能力検定の資格を取得すると、通常は資格手当が給料にプラスされます。月々としての手当ては決して多くはありませんが、年換算すると、けっこうな額になるので資格を持っていることでメリットがあると言えるでしょう。本資格は、金融機関では指標の一つとなるもので、多くの金融機関が昇進や昇給の条件として取得を課しているため、多くの受験者が日々試験対策に取り組んでいます。金融機関に勤務する人にとっては非常に価値のある資格ですが、金融系の資格の中では一般的な知名度は低いかもしれません。

向いている人
融資コースについては、3級と2級ともに受験資格はありませんが、3級は主に若手行職員を対象とし、2級は3級融資コースの合格者や中堅行職員、管理職層を対象としています。金融業界へのキャリアを目指す就活生は、3級を受けてみるとよいでしょう。金融業界の職種は多岐にわたりますが、一般的には論理的思考力が求められ、人間関係を築くスキルも重要です。

取得方法
融資コースのテキストとしては、公式サイトで「Q&A融資実務基礎コース」という4冊セットの教材、4か月コースの通信講座が販売されています。金融業務融資コース試験問題集はネットで購入可能です。独学する場合は、何年かの過去問題を行い自己採点し、解説文を熟読しましょう。試験問題は事例問題に重点が置かれていますので、繰り返し練習問題を解き、理解できていることが重要です。4か月の通信教育を受けるかどうかは、まず独学を試してから判断するのでも良いでしょう。



金融業務能力検定資格の難易度偏差値

2級 3級
偏差値45 偏差値40
簡単
超簡単
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 金融業務能力検定融資〇級 合格
所轄・主催:
一般社団法人金融財政事情研究会
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

願書受付
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
試験日
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
合格発表
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

金融業務能力検定資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
民間資格 キャリアアップ(可) 特になし 横綱クラス 独学 通信

金融業務能力検定試験概要

受験資格 不問
試験内容
金融業務2級 預金コース(記述式8題/120分)

・銀行取引一般
・預金取引
・手形・小切手/手形交換
・預金の特殊実務
・総合問題

金融業務2級 融資コース

・融資取引
・担保・保証
・管理・回収
・総合問題

金融業務2級 法務コース

・預金(入金、支払、差押え、相続等)
・手形・小切手、手形交換、電子記録債権等
・内国為替、付随業務、有価証券関連業務等
・融資I(実行、管理、回収等)
・融資II(担保、保証等)
・総合問題

金融業務2級 財務コース

・財務諸表
・会計制度
・財務分析
・資金分析等
・企業実態の把握等
・総合問題

金融業務2級 税務コース

・所得税
・金融商品と税金
・不動産と譲渡所得
・相続税・贈与税
・法人税
・総合問題

金融業務2級 アグリビジネスコース

・アグリビジネスの基礎知識(用語理解、農業政策、農地制度、業界動向等)
・アグリビジネスに係るコンサルティングの基礎知識(農業簿記、農業税務、経営分析、農業労務、販売戦略、資金調達等)
・金融機関とアグリビジネス(融資その他の金融取引、経営改善提案、ビジネスマッチング、ケーススタディ等)
・総合問題

金融業務2級 医療・介護コース

・医療機関を取り巻く環境
・医療機関の種類・財務・経営環境
・介護事業を取り巻く環境
・介護事業の種類・財務・経営環境
・総合問題

金融業務2級 建設・不動産コース

・建設業の基礎
・建設業の理解
・建設業の会計と財務
・不動産業の理解
・不動産業の会計と財務
・総合問題

金融業務2級 製造業コース

・製造業の基礎知識
・製造業の業務
・製造業の関連知識
・製造業の現状分析
・総合問題

金融業務2級 海外進出・取引コース

・海外進出コンサルティング
・中国およびインドの投資環境
・アセアン諸国の投資環境
・外国為替の基礎知識
・貿易取引
・総合問題

金融業務2級 事業再生コース

・債務者企業の分析と状況把握
・事業再生計画の策定と実行
・事業再生の各種手法
・事業再生のための会計・税務
・総合問題

金融業務2級 事業承継・M&Aコース

・事業承継関連税制等
・事業承継関連法制等
・M&A基礎知識・関連会計
・M&A関連法制等
・総合問題

金融業務2級 財務戦略コース

・財務理論(会計、税務、財務)
・マネジメント手法・分析手法
・企業価値の評価と向上
・財務面の課題解決①
・財務面の課題解決②
・総合問題

金融業務2級 資産承継コース

・資産承継の準備
・遺産分割対策および納税資金準備
・相続税額の軽減対策
・相続に関する諸手続き
・総合問題

金融業務3級 預金コース

・預金業務の基礎(預金の新約から解約までの実務と法令等の知識等)
・各種預金等(普通預金、総合口座取引、定期預金、外貨預金等)
・当座勘定取引の実務(当座勘定取引、手形・小切手、不渡等)
・預金の特殊実務(譲渡、差押え、相続、相殺等)

金融業務3級 融資コース

・融資取引
・担保・保証
・融資金の管理・回収
・融資審査と財務分析

金融業務3級 法務コース

・預金(入金、支払、差押え、相続等)
・手形・小切手、手形交換、電子記録債権等
・内国為替、付随業務、有価証券関連業務等
・融資I(実行、管理、回収等)
・融資II(担保、保証等)

金融業務3級 財務コース

・財務諸表
・会計制度
・財務分析
・資金分析
・企業実態の把握

金融業務3級 税務コース

・個人の所得と税金I(所得金額の計算、所得控除)
・個人の所得と税金II(税額の計算方法、税額控除、申告と納付、金融商品)
・不動産・譲渡所得と税金
・相続・贈与と税金
・法人税

金融業務3級 業種別ベーシックコース

・製造業
・農林水産業
・建設業
・卸売・小売業
・不動産・物品賃貸業
・宿泊・飲食・生活関連サービス・娯楽業
・医療・介護事業
・学術研究・専門技術サービス・その他

金融業務3級 ABL・動産評価コース

・ABL・動産評価の基礎知識
・個別動産評価の実務
・集合動産評価の実務
・動産・債権譲渡登記制度
・譲渡担保債権実行の留意事項
・売掛債権担保融資と電子記録債権の活用

金融業務3級 事業性評価コース

・事業性評価の意義、金融機関に求められる役割、業界動向
・取引先企業の実態把握(定性分析・定量分析)
・競争力の各種評価方法
・取引先企業のライフステージに応じた各種支援策

金融業務3級 シニアライフ・相続コース

・高齢期・退職後の人生設計に関する相談、お葬式とお墓に関する相談
・高齢期の医療・介護と保険に関する相談
・高齢期の住まいに関する相談
・高齢期の財産管理等に関する相談
・相続・贈与に関する相談
・税金および節税対策に関する相談

金融業務3級 個人型DC(iDeCo)コース

・わが国の公的年金制度と退職給付制度
・iDeCo制度に関する知識
・資産運用・形成に必要な知識
・iDeCoの推進・提案

金融業務4級 実務コース

・預金、出納、手形・小切手、為替、融資、証券等に関する基礎的な実務知識および金融業務
合格率 非公開
願書受付期間 随時
試験日程 随時
受験地 全国各地
受験料
金融業務2級 預金コース:
6050円
金融業務2級 融資コース:
6050円
金融業務2級 法務コース:
6050円
金融業務2級 財務コース:
6050円
金融業務2級 税務コース:
6050円
金融業務2級 アグリビジネスコース:
6050円
金融業務2級 医療・介護コース:
6050円
金融業務2級 建設・不動産コース:
6050円
金融業務2級 製造業コース:
6050円
金融業務2級 海外進出・取引コース:
6050円
金融業務2級 事業再生コース:
11000円
金融業務2級 事業承継・M&Aコース:
5500円
金融業務2級 財務戦略コース:
7700円
金融業務2級 資産承継コース:
6050円
金融業務3級 預金コース:
4400円
金融業務3級 融資コース:
4400円
金融業務3級 法務コース:
4400円
金融業務3級 財務コース:
4400円
金融業務3級 税務コース:
4400円
金融業務3級 業種別ベーシックコース:
4400円
金融業務3級 ABL・動産評価コース:
6050円
金融業務3級 事業性評価コース:
4400円
金融業務3級 シニアライフ・相続コース:
4400円
金融業務3級 個人型DC(iDeCo)コース:
4400円
金融業務4級 実務コース:
3300円
合格発表日 試験終了後即時
受験申込・問合せ 一般社団法人 金融財政事情研究会
〒160-8519 東京都新宿区南元町19
TEL:03-3358-0771
ホームページ 金融業務能力検定試験|一般社団法人 金融財政事情研究会
https://www.kinzai.or.jp/kentei

金融業務能力検定のレビュー

まだレビューがありません