パンシェルジュ検定

日本の食卓を変えた西洋の食べ物は多くありますが、もっとも大きな影響をもたらしたのは、なんと言っても「パン」でしょう。その浸透具合は日本人の伝統的主食である米の地位をおびやかし、しばしば「パン派VSごはん派」といった比較がなされるほど対等な存在にまでなりました。そのパンに関する広範な知識をためす検定試験として、パンシェルジュ検定があります。パンシェルジュは「パン」と「コンシェルジュ」を組み合わせた造語であり、「奥深いパンの世界を迷うことなく案内できる幅広い知識を持った人」にあたえられる称号です。

パンの製法や関連器具、材料の知識だけでなく、パンの歴史や各国独自のパン、衛生やマナーに至るまで、幅広い知識がためされるパンシェルジュ検定ですが、3級レベル（パンシェルジュベーシック）では、基本的に趣味の資格となります。より実践的かつ専門的な知識がためされる2級（パンシェルジュプロフェッショナル）や1級（パンシェルジュマスター）では、パンに関連する企業に勤めている人や自分のパン屋さんを開業している人もいます。

パンシェルジュ検定の成績が、収入に直接的に結びつくことはあまりないでしょう。しかしパンシェルジュとしての知識が活かせる職場であれば、業務上の大きな武器になるはずですし、実績の向上や売上への貢献につながり、間接的に収入の増加をもたらす可能性があります。また、これからパン業界への就職を考えている人が事前にこの検定に合格していると、大きなアピールポイントとなり、採用に有利な評価を得ることができるかもしれません。

パンが好きで、毎日のパン食生活をよりゆたかにしたい人、あるいはパン屋めぐりを趣味にしているような筋がね入りのパン愛好家におすすめの検定です。パンシェルジュ検定の合格を目指すことで、みずからのパン知識をより深める機会となります。趣味の範囲だけでなく、現にベーカリーや食品会社など、パンの製造や販売にたずさわっている人にもおすすめです。これからパン屋さんを開業しようと考えている人や、パン業界への就職・転職を考えている人にもおすすめできる検定です。

パンシェルジュ検定は、年に2回、実施されます。1級から3級までの級位が設けられており、3級は趣味レベル、2級は業者レベル、1級は専門家レベルとなっています。2級と3級は併願受検が可能です（ただし2級に合格しても3級が不合格なら2級も認定されない）。いずれの級位においても、パンに関わるさまざまな知識が要求されるため、試験範囲は意外と広いですが、書店や公式サイトで販売されている公式テキストを使って効率的に勉強をしましょう。