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和裁検定試験

「和裁」とは、洋服の製作である洋裁に対して、和服の製作のことを指します。東京商工会議所が日本和裁検定協会との共催で実施する和裁検定試験は、その和裁の技能を認定する民間の検定。家庭レベルの初歩的な技能が問われる4級から、職人レベルの高度な技能が求められる1級まで、4段階で和裁技能を判定してくれます。試験は筆記のほか、長着または浴衣の製作や部分縫いといった実技もおこなわれます。

資格詳細
和裁検定試験は、和服を仕立てるための知識と技能を認定する試験であり、国家資格の和裁技能士とともに着物業界では知名度の高い試験です。受験級は、初歩的な知識が問われる4級から、職人としての確かな技術を証明できる1級まで存在します。2級・3級・4級は受験資格について制限はありませんが、1級受験者は、本検定または国家検定の2級を取得していることが必要です。試験は筆記、部分縫い(4級はなし)、実技と長時間にわたるため、2日間に分けて行われます。特に1級取得者は、業界で高い評価を得ています。和裁のプロとして活躍するのであれば、2級以上を取得しておくことが望ましいでしょう。

活躍場所
活躍できる場は、和服仕立て店、呉服販売店、和裁教室、着物メーカー、結婚式場などが考えられますが、技術が高ければ、独立してフリーランスとして仕事をすることも可能です。

収入と将来性
和裁の仕事は七五三や成人式の時期になると子供の着物や振袖の仕立ての依頼が増えるなど、季節により仕事の内容や依頼数が変わることで、収入も左右されますので、安定した収入は期待しにくいのが現状です。そのため、和裁技術者の収入は、和裁所に正社員として就業する場合でも、低めといわれています。しかし、着物を縫える人材が減少しているので、高い技術をもつ人材は重宝されるでしょう。近頃は、着物を着て街歩きをするなど、着物に関心のある若い人が増えてきています。また、成人式や結婚式などの晴れの日に着物を着る人が多いため、和裁の需要は景気に左右されることが少ない仕事です。人生100年時代を迎え、ご高齢の方も趣味としての和裁を活かして指導する立場としての仕事の需要があるかもしれません。日本文化として受け継いでいくべき和裁の技術が注目されており、手作りへの評価も年々高まっています。ただし、和裁士として将来的に長く活躍していくためには、あらゆる要望に応えられる技術と付加価値が求められるでしょう。

向いている人
何よりも着物が好きで自分で仕立てることに興味があることが大前提です。作業はほとんどが手作業であり、長時間にわたり細かい作業を続けるため、手先が器用で、長時間ひとりで黙々と作業ができる人に適しています。また、着物を美しく仕上げるためには、着心地の良さや柄の合わせ方に配慮した仕立て方など、高度な技術とともにセンスも求められます。さらに、依頼された着物を納期までに仕上げるために手の速さも欠かせない要素です。和裁の仕事は、着物という日本の文化を継承するという重要な役目があるため、伝統文化の継承にやりがいを見出せる方が望まれます。和裁検定受験者の99%が女性です。

取得方法
和裁技術の習得は、専門学校や和裁教室などで指導を受けるのが一般的です。和裁検定試験は筆記のほか、実技試験として長着の製作や部分縫いも行われるため、合格するには日頃の訓練が何よりも大切ですが、日本和裁検定協会が1級~3級の受験者を対象に開催している年1回の和裁検定講習会に参加することをおすすめします。検定合格にむけての講習会であり、試験内容に応じて、部分縫い、筆記、長着の3部門に分けて実施されていますので、必要な部門だけの受講も可能です。日程や申込方法などについては、日本和裁検定協会事務局に問合せてください。なお、実技試験では、指定時間内に仕上がらないと不合格になるため、作業スピードも大切な要素です。



和裁検定試験資格の難易度偏差値

1級 2級 3級 4級
偏差値51 偏差値42 偏差値35 偏差値0
普通
簡単
超簡単
判定不能
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 和裁検定○級試験 合格
所轄・主催:
東京商工会議所検定センター
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

記載内容は4級のもの
願書受付
2020年6月22日~2020年6月30日
試験日
2020年9月12日
合格発表
2020年10月8日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

和裁検定試験資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
公的資格 趣味実用 特になし 横綱クラス 通学

和裁検定試験試験概要

受験資格
1級:
東商検定または国家検定の2級取得者
2級・3級・4級:
不問
試験内容
1級

・実技:女子用あわせ長着
・部分縫い
・筆記

2級

・実技:女子用あわせ長着
・部分縫い
・筆記

3級

・実技:女子用あわせ長着
・部分縫い
・筆記

4級

・実技:女子用浴衣
・部分縫い
・筆記
合格率 94.9%(4級)
願書受付期間 6月中旬~下旬
試験日程 9月中旬
受験地 東京
受験料
1級:
16500円
2級:
14300円
3級:
11000円
4級:
5500円
合格発表日 10月上旬
受験申込・問合せ 東京商工会議所 検定センター
〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-2-2
TEL:03-3989-0777
ホームページ 和裁検定試験
http://www.kentei.org/wasai/

和裁検定試験のレビュー

(1件)
海住
奥深い資格

2018年11月24日
1級はめちゃくちゃ難しいと言われています。そもそも受ける人も少ないですけど。
全ての級で実技もちゃんとありますので、ただテキストなどを読んで勉強すれば受かるというわけではありません。
4級なら学校に通えば半年あれば受かります。就職に必要とされる2級以上を受かるにはけっこうがんばらないと厳しいです。
2級以上なら国家資格の和裁技能士の資格をもっていると実技が免除されたりするので、2級以上をめざすなら和裁技能士も取得した方がいいと思います。就職にも有利になりますので。
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