熱絶縁施工技能士
ビルやマンションの冷暖房設備や給排水設備、工場や発電所、化学プラントなどの機械や配管は、外部の温度の影響を受けては困る部分です。熱絶縁施工技能士は、それらの部分に熱絶縁処理をほどこす技能を認定する国家資格。保温保冷工事作業と吹付け硬質ウレタンフォーム断熱工事作業に区分されています。
資格詳細
熱絶縁施工とは、ビルや集合住宅、工場などの建物に取り付けられている冷暖房設備や熱搬送設備などの機器、配管などの熱の放散を防ぐために、保温保冷材を加工して囲うことで熱の損失を防ぎ、精密な設備を保護する工事のことです。建物を作る過程で欠かせない工事のうちのひとつです。この熱絶縁工事を行う職人を「熱絶縁工」や「断熱工」と呼んでいます。昔から、熱絶縁工事の仕事は長年の積み重ねによる職人仕事であり、今日でも職人の手によって熱絶縁工事が行われています。熱絶縁工事は、省エネはもちろん、地球温暖化対策のためにも必要な工事です。熱絶縁施工技能士は、この熱絶縁施工作業を行うために必要な技能を証明できる資格です。大規模な工事現場になると、熱絶縁施工技能士の有資格者の常駐を義務付けていることもあります。試験は学科と実技があり、2つの区分、「保温保冷工事作業」か「吹付け硬質ウレタンフォーム断熱工事作業」からどちらかを選択します。1級と2級のレベルがあり、基本的にどちらも実務経験が必要なため、まずは受験資格の基準を満たすために、一定の実務経験を踏んだ上で受験する必要があります。また、有資格者は専任技術者になれるという大きな利点があります。専任技術者は建設会社にとって重要な存在ですから、熱断熱施工の技能としての評価に加えて、建設会社で高い評価を得られる可能性があります。
活躍場所
保温・保冷工事関連の専門会社に就職し、オフィスビル、マンション、病院などの建築設備の現場で熱絶縁工事を行います。1級を取得できると、より特殊な技能が必要な高度な化学プラントなどで活躍する機会も増えてきます。資格の取得と併せて施工のキャリアを積んでいくことで、大型施設などの施工を行うなど業務範囲が広がっていくでしょう。
収入と将来性
熱絶縁施工技能士1級の有資格者はどこの関連企業でも歓迎されるので、採用、給与面で優遇されます。また、資格を持っていなくても、就職後に資格取得を支援する会社が多く、関連企業で熱絶縁施工技能士は重要な人材であることがわかります。熱絶縁施工は建物に必要な工事だけではなく、省エネ・地球温暖化対策としての役割も担っている工事です。リフォームやリノベーションでも省エネ化の工事の需要は非常に高いので、熱絶縁施工技能士は、今後も重要な役割を果たしていく存在といえるでしょう。
向いている人
熱絶縁工になるには、建設業で働く他の技能者と同様、就職後は見習いとして技能を習得していきます。職人の世界であるため、一人前になるためには、根気よくコツコツと努力ができる人に向いています。また、熱絶縁工事の仕事は建物の屋内作業になりますが、夏は暑く、冬は寒いため、体調管理が必要な現場です。そのため、日頃から不摂生をしないで体調に気をつけていることが必要です。扱う保温・断熱材などは空気を多く含む軽い素材なので、肉体労働というより、ハサミ、ナイフなどの手工具を使用する作業が多いため、手先が器用な人に適性がある職業ともいえます。現場で活躍している女性もいます。
取得方法
学科試験では、必修科目で熱絶縁・関係法規・安全衛生について、選択科目では作業区分から選んで、真偽法と四肢択一法で50問ほど出題されます。実技試験では、選んだ選択科目について作業試験、判断試験などが実施されます。過去に実施された1級・2級の試験問題が正解表付きで中央職業能力開発協会のサイトで公開されていますので、ぜひ見て試験内容の傾向をつかんでおきましょう。
熱絶縁施工技能士資格の難易度偏差値
1級 | 2級 |
---|---|
普通 |
簡単 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 ○級熱絶縁施工技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
2020年資格日程
願書受付
2020年4月6日~2020年4月17日
試験日
2020年9月6日
合格発表
2020年10月2日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
熱絶縁施工技能士資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
国家資格 | キャリアアップ(良) | 名称独占資格 | 横綱クラス | 独学 講習 通学 |
熱絶縁施工技能士試験概要
受験資格 | 1級 ・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験 ※学歴により必要な実務経験年数が異なる 2級 ・実務経験2年以上 ※学歴により実務経験が不要になる |
試験内容 | 1級・2級 学科試験 ・熱絶縁 ・関係法規 ・安全衛生 ・選択科目 ・保温保冷施工法 ・吹付け硬質ウレタンフォーム断熱施工法 実技試験 ・選択科目 ・保温保冷工事作業 ・吹付け硬質ウレタンフォーム断熱工事作業 |
合格率 | |
願書受付期間 | 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬 |
試験日程 | 実技試験: 6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬学科試験: 7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬 |
受験地 | 指定の試験場 |
受験料 | 学科試験: 3100円実技試験: 18200円※都道府県によって異なる場合がある |
合格発表日 | 10月上旬・3月中旬 | 受験申込・問合せ | 都道府県職業能力開発協会 ※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照 |
ホームページ | 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA) https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html |