水産練り製品製造技能士
ちくわやかまぼこ、はんぺんなど、魚のすり身から作られる練り物は、昔から日本人が大好きな食材です。水産練り製品製造技能士は、それら魚肉練り製品の製造技能を認定する国家資格。学科試験と実技試験があり、生魚コースと冷凍すり身コースに分かれています。実技では実際にかまぼこの製作をおこないます。
資格詳細
日本で古来から親しまれているかまぼこやちくわなどの魚肉を加工した水産練り製品を生産する人が水産練り製品製造工です。水産練り製品製造技能士は、庖丁一本で魚をおろして、見事なまでにかまぼこを仕上げる職人の技を持ち、原料魚の鮮度判定など高い食品知識を身につけている証となる資格です。それだけに難関の資格といわれています。この資格は、製造現場での機械化が進み、かまぼこの伝統技術が消滅するのではないかと危機感を抱いたかまぼこ業界が開始したことが背景にあります。以来、かまぼこ業界で働く人にとってはあこがれの資格であり、一流のかまぼこ職人のライセンスといえます。大手かまぼこメーカーには、必ず1級水産練り製品製造技能士が在籍しています。特に高級なかまぼこは婚礼などの御祝の席には欠かせない食品です。最近この資格が見直されてきており、かまぼこ業界では積極的に技能検定を受けることを推奨しています。
活躍場所
水産練り製品製造の仕事を希望する人は、一般的に水産加工食品メーカーに勤務します。活躍の場はほとんどが中小企業です。水産練り製品製造技能士は、商品開発などで現場のプロの立場からアドバイスができると、活躍の場がより広がっていくでしょう。
収入と将来性
水産練り製品製造工の収入は高い技術が求められる職人技の仕事のわりには、一般の平均的な年収より少し低い傾向があります。勤める企業の大半が中小企業であることが関係しているかもしれません。水産練り製品製造は機械による生産が増えてきていることや繁忙期と閑散期とで差があることなどから、安定性の面では決して楽観視はできないところがあります。しかし、高級な練り製品については熟練の水産練り製品製造工に任せる企業が多いので、今後も一定の需要は見込めるでしょう。また、水産加工食品会社への就職や転職の際には非常に有利ですし、この資格があることで待遇アップが期待できます。品質の高い水産練り製品を作るためには、経験のある熟練した職人が必要ですので、スキルを持っている技能士へのニーズは今後も続くといえます。また、練り製品は日本の食卓に馴染み深い食品であり、なかでもカニかまぼこは近年になって世界的に人気を博していることなどから明るい未来も見えてきています。
向いている人
日本の伝統的な食品の仕事に興味があり、何よりもかまぼこなどの水産練り製品が好きな人に向いています。また、原材料が魚肉ですので、魚の種類など、魚類について学ぶことに意欲がある人に向いているでしょう。なお、実際の製造工程では作業中に水をよく使う仕事なので冬は特に厳しい職場環境になります。そのため、寒さに弱い人には向かないかもしれません。
取得方法
試験は1級・2級とも筆記試験と実技試験があり、筆記試験では食品一般や水産練り製品に関する知識、かまぼこの材料や製造法、安全法規や衛生に関する知識が問われます。特に、板付きかまぼこを製造している地域や、漁獲後どのタイミングで凍結するべきかについて出題されることが多いようです。実技試験は、A生魚コース、 B冷凍すり身コースの2コースから選択します。原料魚をおろして、課題の2種類のかまぼこの成形までを行い、魚の鮮度や品質の判定も行います。このように実際の作業現場の状況に即した内容となっているので、日頃から仕事場でしっかり技術を身につけておくことが求められます。筆記試験対策としては、アマゾンなどで購入できる「水産ねり製品入門」が参考になるのではないでしょうか。水産練り製品製造の技能検定受験の参考となる入門書です。
水産練り製品製造技能士資格の難易度偏差値
1級 | 2級 |
---|---|
普通 |
簡単 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 ○級水産練り製品製造技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
水産練り製品製造技能士資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
国家資格 | キャリアアップ(良) | 名称独占資格 | 横綱クラス | 独学 講習 通学 |
水産練り製品製造技能士試験概要
受験資格 | 1級 ・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験 ※学歴により必要な実務経験年数が異なる 2級 ・実務経験2年以上 ※学歴により実務経験が不要になる |
試験内容 | 1級・2級 学科試験 ・食品一般 ・水産練り製品一般 ・かまぼこ製品製造法 ・材料 ・関係法規 ・安全衛生 実技試験 ・かまぼこ製品製造作業 |
合格率 | |
願書受付期間 | 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬 |
試験日程 | 実技試験: 6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬学科試験: 7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬 |
受験地 | 指定の試験場 |
受験料 | 学科試験: 3100円実技試験: 18200円※都道府県によって異なる場合がある |
合格発表日 | 10月上旬・3月中旬 | 受験申込・問合せ | 都道府県職業能力開発協会 ※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照 |
ホームページ | 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA) https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html |