強化プラスチック成形技能士
プラスチックの強度を高めるために、繊維状の補強材などを使用した複合合成樹脂を「強化プラスチック」と呼びます。強化プラスチック成形技能士は、強化プラスチックの成形に関する技術を認定する国家資格で、手積み積層成形作業、吹付け積層成形作業、積層防食作業に区分されています。
資格詳細
強化プラスチックは、FRPとも呼ばれる、樹脂の強度を高めたものです。ガラス繊維などの強化繊維との組み合わせにより強度を高めたプラスチック製品は、自動車や航空機、ボートやヨット、ユニットバスなど、幅広く利用されています。強化プラスチック成形の仕事では、形を作る工程で成形機などの機械が導入されている場合、成形工が手で作業することはなくなりますが、成形機の管理や補助的な作業が必要になり、成形機に材料を入れる作業や、完成した製品の検査や梱包なども仕事の一部です。強化プラスチック成形技能士は、このような強化プラスチックの成形に必要な技術と知識があることを証明する国家資格です。1級と2級があり、手積み積層成形、吹付け積層成形、積層防食の3つの作業区分に分かれます。受験するには、原則プラスチック成形の実務経験が必要ですので、現在業務に従事されている方はステップアップのためにも取得しておくとよいのではないでしょうか。
活躍場所
強化プラスチックは、現在さまざまな製品で使われていますので、各メーカーの工場の製造現場においてプラスチック成形の作業工程で活躍できます。成形作業はほとんどオートメーション化されており、機械の管理や補助の作業となります。
収入と将来性
プラスチック成形の仕事の年収は、一般の平均年収と比べて低い傾向にありますが、需要のある仕事ですので安定性のある収入を得られます。また、全体の給与幅が比較的大きいので、勤務先や経験、スキルによってもかなり差があるのではないでしょうか。強化プラスチック成形は比較的新しい技術であり、今後も需要が見込めるため、技能士資格を持っていることで給与面でも有利になるでしょう。プラスチック製品の利用範囲は拡大しており、日用品から医療分野までさまざまな場面で使用されています。これらの多岐にわたる業界で製品を製造する工程に関わる仕事ですので、今後もニーズは高いでしょう。ただし、どの製造業界でもいえることですが、海外での低コストによる大量生産が増えてきているため、製造業界全体としては縮小傾向が見られます。今後はより精度が求められたり、特殊な材料を使ったりなど、高度な製品が求められるでしょう。
向いている人
技能士の試験を受けるには、原則実務経験が必要ですが、プラスチック製品成形の仕事は、未経験からでも始められ、中途採用も多く見られます。基本的には、製品の成形不良が起きないように製造工程は自動化されていて、機械操作が主な業務です。そのため、力仕事は比較的少ないので、女性も就きやすい仕事といえるでしょう。また、仕事に慣れてくると、単調な仕事の繰り返しになりますので、黙々と飽きずに取り組める人が求められます。
取得方法
学科試験の内容は、FRP(強化プラスチック)全体の内容となり、出題範囲は「FRP成形技能テキスト」という参考書の目次にある内容からかなりの範囲で出題されているようです。模擬試験の出題傾向としては、多い順から、成形法、成形品一般、成形品加工法、材料、安全衛生となります。「FRP成形技能テキスト」は、強化プラスチック成形技能士の受検者のための必読テキストで、学科問題や実技のポイントなどについても記載されていて非常に役立つそうです。また成形工場で仕事をしている技術者のハンドブックとしても利用されています。価格は高いですが、一般社団法人強化プラスチック協会のホームページから注文できます。過去の検定試験問題集などもネットなどで手に入りやすいので、比較的対策が立てやすいのではないでしょうか。
強化プラスチック成形技能士資格の難易度偏差値
1級 | 2級 |
---|---|
![]() |
![]() |
普通 |
簡単 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 ○級強化プラスチック成形技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
2023年資格日程
願書受付
2020年4月6日~2020年4月17日
試験日
2020年9月6日
合格発表
2020年10月2日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
強化プラスチック成形技能士資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
国家資格 | キャリアアップ(良) | 名称独占資格 | 横綱クラス | 独学 講習 通学 |
強化プラスチック成形技能士試験概要
受験資格 | 1級 ・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験 ※学歴により必要な実務経験年数が異なる 2級 ・実務経験2年以上 ※学歴により実務経験が不要になる |
試験内容 | 1級・2級 学科試験 ・強化プラスチック成形一般 ・材料 ・製図 ・危険物取扱い、廃棄物処理および環境保全 ・安全衛生 ・選択科目 ・積層成形法 ・積層防食法 実技試験 ・選択科目 ・手積み積層成形作業 ・エポキシ樹脂積層防食作業 ・ビニルエステル樹脂積層防食作業 |
合格率 | |
願書受付期間 | 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬 |
試験日程 | 実技試験: 6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬学科試験: 7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬 |
受験地 | 指定の試験場 |
受験料 | 学科試験: 3100円実技試験: 18200円※都道府県によって異なる場合がある |
合格発表日 | 10月上旬・3月中旬 | 受験申込・問合せ | 都道府県職業能力開発協会 ※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照 |
ホームページ | 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA) https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html |