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ロープ加工技能士

ロープはきわめて歴史が古く、原始的とも言える道具ですが、現在もなお人々の生活のさまざまな場面で役立っています。高所での危険作業などでは、人命をささえる重要な道具となり、常に高い品質が求められる製品でもあります。ロープ加工技能士は、そのロープの加工技術を証明する国家資格。学科試験と実技試験で構成されています。

資格詳細
クレーンで鉄骨を吊り上げる場面を工事現場などで見たことはありませんか?その際に使われているワイヤーロープの先端部分を輪に加工する仕事がロープ加工です。荷下しや運搬に使用される各種ロープは、安全に作業するためにロープの強度や加工方法が重要な要素になります。ロープ加工技能士は、そのロープを加工するために必要な技能を持っていることを認定する国家資格です。資格は1級と2級があり、どちらも原則、実務経験が必要です。ロープ加工技能士が加工したロープ製品には、全日本ロープ加工組合連合会の黄色いラベルが付けられていて、ラベルに加工者の技能士番号が記入されています。このラベルが付いている製品は、国がロープ加工の技能を検定し証明しているものです。技能士ラベルが付いていない輸入品などの価格は安いですが、万一事故が起きた場合などには対処が難しくなります。なお、関連する資格として、講習と修了試験で取得できる玉掛け技能者がありますので、こちらも併せて取得しておくとよいでしょう。

活躍場所
ワイヤーロープの加工・販売会社に就職し、工場でワイヤーロープの製造の仕事に携わります。

収入と将来性
ワイヤー加工関連の求人情報を見る限りでは、収入は平均またはやや低めといえます。ただし、大手では福利厚生や待遇も比較的整っていて、より高い収入が見込めるところもあります。ロープ加工技能士の資格取得を全面的に支援している会社が多いことも特徴です。近年は安価な輸入品が増加しているため、ワイヤーロープの需要自体が減少傾向にあり、中堅以上の企業では特殊品の製造などを始めています。また、大手メーカーは事業の再構築をはかり、異業種へ参入するなどで、雇用をある程度確保できているようです。今後に関しては、決して楽観はできませんが、ワイヤーロープ加工の求人数は多数見つかるため、仕事は比較的見つかりやすいといえるでしょう。ただし、正社員は少なく、アルバイトや派遣の求人が多いことが特徴です。

向いている人
ロープ加工の仕事は力仕事が多いので、まず体力に自信のある人に向いています。最初は未経験でも先輩がサポートしながら、ワイヤーのカットや編み込みなどの技術を指導していきますので、先輩と上手くコミュニケーションをとりながら、根気よく取り組める人が求められます。また、ロープ加工技能士の資格取得を支援している会社が多いので、資格を目指して頑張れる人、何か一生モノの技術を身につけたいという人にもおすすめです。

取得方法
学科試験問題は、ロープ一般、加工法、材料、関係法規などから、真偽法問題と四肢択一法問題がそれぞれ25問、計50問出題されるようです。実技試験は、ロープ加工の実技を行います。年度によって内容は異なりますが、ワイヤもっこの製作、ワイヤロープによる玉掛索とエンドレス索の製作などが行われます。過去の試験問題については、中央職業能力開発協会のサイトで過去の問題を閲覧できますので、問題の傾向をつかんで、試験対策に活用しましょう。なお、ロープ加工技能士の資格は、優秀な技能を持っている人に与えられるものですので、試験は予想以上に難しいようです。全日本ロープ加工組合連合会では、連合会各支部の有志が講習会を実施していますので、受講してみてはいかがでしょうか。なお、同連合会では、「ロープ加工技能士必携」や「ワイヤロープ加工図解」などのテキストも紹介しています。



ロープ加工技能士資格の難易度偏差値

1級 2級
偏差値52 偏差値44
普通
簡単
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 ○級ロープ加工技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

願書受付
2020年10月5日~2020年10月16日
試験日
2021年2月7日
合格発表
2021年3月12日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

ロープ加工技能士資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
国家資格 キャリアアップ(良) 名称独占資格 横綱クラス 独学 講習 通学

ロープ加工技能士試験概要

受験資格
1級

・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験
※学歴により必要な実務経験年数が異なる

2級

・実務経験2年以上
※学歴により実務経験が不要になる
試験内容
1級・2級

学科試験

・ロープ一般
・ロープ加工法
・材料
・関係法規
・安全衛生
実技試験

・ロープ加工作業
合格率
願書受付期間 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬
試験日程
実技試験:
6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬
学科試験:
7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬
受験地 指定の試験場
受験料
学科試験:
3100円
実技試験:
18200円
※都道府県によって異なる場合がある
合格発表日 10月上旬・3月中旬
受験申込・問合せ 都道府県職業能力開発協会
※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照
ホームページ 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html

ロープ加工技能士のレビュー

(1件)
ヨシケイ
簡単ではありません。

2024年09月23日
YouTubeや個人のホームページ等を見て独学でワイヤーの加工は学べますが、まず受験するにあたっては2級なら2年以上の実務経験、1級なら7年以上の実務経験または2級合格後2年以上の実務経験が必要となります。

1級は普通、2級は簡単とありますが、決して易しいものではありません。

加工の的確さが大事な吊り荷や作業者の生命にも関わる作業ですから、実技の合否もシビアですし、筆記試験も素人ならまず理解出来ないでしょうし実務者でもしっかりと勉強しなければならない内容です。
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