原子炉主任技術者
原子炉主任技術者は、原子炉が運転されている現場で保安監督をつとめるための国家資格です。国をかたむけるほどの危険性をはらんだ原子力災害を未然にふせぐために、非常に重要な役割をにないます。
資格詳細
原子炉主任技術者とは、原子力規制委員会が実施する国家資格で、原子炉の運転に関する保安や監督をする専門家に必要な知識が問われます。原子炉の設置者は、原子炉主任技術者を選任し、原子炉の監督を行わせることが法律で義務づけられているため、電力会社や原子力関連企業への就職・転職の際には、非常に有利となる資格です。この資格を得るには、毎年3月ごろに行われる筆記試験に合格し、さらに毎年8月ごろに行われる口述試験に合格しなければなりません。筆記試験の受験資格は特に条件などがありませんが、口述試験を受けるには、筆記合格者で6ヶ月以上の原子炉の運転業務経験があるか、所定の講習機関での課程を修了していることが必要です。
活躍場所
原子炉主任技術者の主な就職先は、原子炉を扱う電力会社や原子力発電の研究所です。一般的には、就職後に実務経験を積んでから資格の試験を受けます。法律上の規定により、原子炉を設置する会社では、原子炉主任技術者の必置が義務づけられているため、会社としても原子炉主任技術者の育成に力を入れています。資格取得後は、原子炉運転の保安・監督の仕事での活躍が期待されます。
収入と将来性
原子炉主任技術者の収入は、実務経験年数などによって変わりますが、比較的高めで、中堅クラスになると、安定した収入を得られます。高収入が期待できる理由として、高い専門性に加え、背負う責任が大きい仕事であることが考えられます。そのため、資格取得をきっかけとして、手当や昇給、昇進の可能性があるでしょう。原子炉主任技術者は、2011年の原子力発電所事故以来、国内外で注目されている職業・資格です。原子炉の設置者は、原子炉主任技術者を各原子炉に置く必要があるため、今後も一定の需要が見込めます。日本は原子力発電の占める割合が先進国の中でも高く、今後も核燃料によるエネルギーの供給がなくなることはないでしょう。しかし、大災害が起きたときの被害の規模は計り知れないものです。だからこそ原子炉の安全確保のため、原子炉主任技術者の存在はより重要性を増しています。ただし、新規の原子炉建設に関しては不透明といえるでしょう。
向いている人
特殊なものを扱う危険を伴う専門的な職業であるため、強い責任感と高い倫理観が求められます。そのため、安全につねに気を配る姿勢、怠りなく正確に仕事ができる人に適性があるでしょう。この資格は非常に専門性が高いため、資格を取得したい人も限定されますが、電力会社や原子力関係の企業に勤めている方は、キャリアアップにつながるため、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
取得方法
難易度の高さで知られている資格ですが、特に筆記試験はかなりの勉強が必要のようです。原子炉に関する工学をはじめ、核燃料物質、熱力学、電気など、幅広い分野から出題され、理工系の素養は必須です。受験経験者の話によると、参考書や問題集が少なく、勉強方法を見つけるのに一苦労があり、結局、過去問題を参照して、各問題に関する法令や理論についての専門書で一通り勉強したそうです。過去問題については、原子力規制委員会のサイトで過去の試験問題が公開されていますので、参照するとよいでしょう。そのほかの対策としては、費用はかかりますが、日本原子力研究開発機構が実施する「原子炉工学特別講座」を受講する方法があります。
原子炉主任技術者資格の難易度偏差値
難関 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 原子炉主任技術者試験筆記試験 合格
所轄・主催:
環境省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
2020年資格日程
願書受付
2020年1月6日~2020年1月20日
試験日
2020年3月17日~2020年3月19日
合格発表
2020年6月上旬
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
原子炉主任技術者資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
国家資格 | 特になし | 必置資格 | 大関クラス | 通学 |
原子炉主任技術者試験概要
受験資格 | 筆記試験: 不問口答試験: 原子炉の運転に関する業務経験など |
試験内容 | 筆記試験 ・原子炉に関する法令 ・原子炉理論 ・原子炉の設計 ・原子炉の運転制御 ・原子炉燃料及び原子炉材料 ・放射線測定及び放射線障害の防止 |
合格率 | 11.2%(筆記) |
願書受付期間 | 筆記試験: 1月中旬~下旬口答試験: 7月上旬~下旬 |
試験日程 | 筆記試験: 3月中旬(3日間)口答試験: 8月下旬 |
受験地 | 東京 |
受験料 | 52100円 |
合格発表日 | 筆記試験: 5月下旬口答試験: 9月下旬 |
受験申込・問合せ | 原子力規制委員会 原子力安全人材育成センター規制研修課 〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9 六本木ファーストビル20階 電話:03-6277-6924 |
ホームページ | 資格・試験|原子力規制委員会 http://www.nsr.go.jp/examination/ |