核燃料取扱主任者
核燃料取扱主任者は、核燃料物質の加工や、使用済み核燃料の再処理をおこなう現場で、保安監督をつとめるための国家資格です。資格を取得すると、放射性廃棄物の廃棄事務所にて、保安監督の主任者になることができます。
資格詳細
核燃料取扱主任者とは、原子炉等規制法に基づき、核燃料の加工や使用済み核燃料の再処理を行う施設で核燃料物質の保安・監督を行うための国家資格です。核燃料取扱主任者は核燃料の加工事業者や再処理事業者では必置の資格となっています。東日本大震災以後、国民の核燃料に対する関心は高く、原発以外の発電方法を探すなどの議論が発展した結果、電気事業の抜本的な改革が求められ電力の自由化が始まりました。今後日本が原発燃料による発電環境を維持していくためには、核燃料取扱主任者は必要不可欠な資格といえるでしょう。核燃料は原子燃料ともいわれる非常に危険な物質として知られています。化学薬品やガソリンといった燃料とは全く異なり、その危険度はわずかな事故が起きただけでも大きな被害が周辺地域にまで及ぶ危険性があります。そのため核燃料取扱主任者は事故やトラブル防止のために、徹底した核燃料の管理と監督を行うという重要な任務を担っている責任の強い資格といえます。核燃料取扱主任者の試験は誰でも受験できますが、原子炉主任技術者試験と並び理数系国家試験の中では難関の部類に入る専門性が非常に高い資格のため、基本的には現場で働いている方が取得する資格といえます。
活躍場所
核燃料の加工工場や使用済み核燃料の再処理工場での必置資格ですので、これらの職場で保安監督主任者として活躍できます。また、核燃料取扱主任者の資格は核や原子力に関する知識が十分にあることの証明になるため、原子炉メーカー系の就職にも有利に働くのではないでしょうか。
収入と将来性
具体的な年収については公表されていませんが、核燃料取扱主任者は工場などで監督者として働くため、それなりの高収入が期待できます。また、大半の企業では資格手当がつくため、キャリアアップのために関連企業にすでに勤めている方たちが資格を取得するケースが多く、経験や勤務年数とともに年収も上がると考えられます。また、この試験の合格者の多くの方が「第一種放射線取扱主任者」の資格取得者であることからも、この資格に加えて放射線取扱主任者などの関連資格を取得することで給与アップが見込めるでしょう。専門性の高い仕事であり必置義務のある資格ですので、常に一定のニーズがあります。今後も日本が核燃料を使い続ける限り、核燃料取扱主任者としての仕事がなくなることはないでしょう。
向いている人
非常に危険性の高い物質の管理と監督をする責任重大な仕事を担うため、強い責任感で業務を遂行できる人に向いています。基本的には専門知識を持っている方や、すでに現場で関連した仕事に就いている方に向けた資格です。また電力会社に就職してから資格取得を目指す方も多いようです。
取得方法
対策としては、出題範囲が専門的であり幅広いため、暗記が重要であるといわれています。最低でも、原子炉工学と放射線工学は予備知識として理解しておく必要があるでしょう。また、物理、化学、生物学に関しては大学レベル程度の知識が求められます。参考書は少ないようですが、原子力規制委員会の公式サイトで過去問題が掲載されていますので確認しておきましょう。また、日本原子力研究開発機構(JAEA)では「核燃料取扱主任者受験講座」を開催し、受験予定の方の学習を支援しています。カリキュラムは4日間の講義編と、過去の問題の解答と解説が中心の3.5日間の演習編から構成されていますので、費用、時間、受講場所の都合がつく方にはおすすめの講座です。
核燃料取扱主任者資格の難易度偏差値
難関 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 核燃料取扱主任者免状 取得
所轄・主催:
環境省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
2020年資格日程
願書受付
2020年1月6日~2020年1月20日
試験日
2020年3月4日~2020年3月5日
合格発表
2020年6月上旬
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
核燃料取扱主任者資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
国家資格 | 特になし | 必置資格 | 大関クラス | 通学 |
核燃料取扱主任者試験概要
受験資格 | 不問 |
試験内容 | 筆記試験 ・核燃料物質に関する法令 ・核燃料物質の化学的性質及び物理的性質 ・核燃料物質の取扱いに関する技術 ・放射線の測定及び放射線障害の防止に関する技術 |
合格率 | 17.20% |
願書受付期間 | 1月中旬~下旬 |
試験日程 | 3月上旬(2日間) |
受験地 | 東京(経済産業省) |
受験料 | 47700円 |
合格発表日 | 5月下旬 | 受験申込・問合せ | 原子力規制委員会 原子力安全人材育成センター規制研修課 〒106-8450 東京都港区六本木1-9-9 六本木ファーストビル20階 電話:03-6277-6924 |
ホームページ | 資格・試験|原子力規制委員会 http://www.nsr.go.jp/examination/ |