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歯科医師

歯の健康を守る歯科医師は、現在の高齢化社会においてますます果たす役割が重要になってきました。しかし一方で、社会問題となっている医師不足とは対照的に、歯科医師のほうは若干、供給過剰の傾向があります。資格を得て歯科医師となったあとも、着実に経験をかさねてスキルアップを目指さなければ、生き残りは厳しいかもしれません。

資格詳細
いわゆる「歯医者さん」として身近な存在である歯科医師は、歯や歯茎など人間の口の中を診察・治療する専門家です。日本では、明治維新より前からすでに通常の医師とは別に専業の歯科医がいましたが、明治16年には西洋の制度にならって法的にも医師から独立し、現在に至っています。医師と同様、国家試験に受かって歯科医師免許を取得する国家資格となっています。現在、歯科医師の数は10万人を超えており、うち2割程度を女性が占めています。

活躍場所
歯科医師は、医師にくらべて、開業医が多いという特徴があります。およそ半数以上が開業医であり、みずから歯科医院を経営し、虫歯や歯周病を治療するほか、口腔ケアや歯列矯正、審美歯科など、口の中のトラブル全般を取り扱います。病院につとめる勤務医の場合、大学病院のような大規模なところでは、一般歯科、小児歯科、歯科口腔外科などと細分化・専門化されていることもあります。ほかにも、大学や研究所で働く研究医、厚生労働省系の技官、化粧品会社や製薬会社に勤務する人もいます。

収入と将来性
歯科医師の将来性をあやうくする問題が、「歯科医の数が多すぎる」という現状です。人口減少により、患者の数は減り続けているのに対し、歯科医の数は多いどころかさらに増えており、明らかな供給過多となっています。都市部など人口の多い地域では過当競争を強いられ、廃業に追い込まれる歯科医師も少なくありません。開業医の場合、小児歯科や矯正歯科、審美歯科などの専門分野をかかげたり、設備やインテリアに工夫をこらすなど、なにかしらの特徴がないと生き残ることが難しくなっています。収入は、常勤の勤務医の場合、平均450万から800万円ほどの年収が相場ですが、勤務先や経験により差がつきます。独立した開業医の場合は、ピンからキリまでと言ってよいほどの差があるのが実態です。立地条件による患者の来院数に大きく左右されますし、歯列矯正やインプラント、ホワイトニングなどの保健外診療の技術があるかどうか、そしてその技術に定評があるかどうかによっても大きく変わってきます。現実には、赤字経営になってしまっている開業医も少なくありません。

向いている人
人の口の中という小さな空間で精密な作業をおこなう歯科医師は、手先の器用な人に向いている仕事です。命に関わるほどの医療ミスは起きにくい分野ですが、再生しない歯が相手であるため、高い集中力も求められます。特に開業医の場合は、歯科衛生士や歯科助手、事務スタッフなどを雇ってチームワークで働きますし、患者さんとは密に接近して施術するため、人柄のよさやコミュニケーション能力も大切になってきます。また、過当競争のなかでは、最新の技術を追い続けることも重要なので、勉強熱心な人ほど成功しやすいでしょう。

取得方法
歯科医師は、国家試験に合格することで取得できる国家資格です。高校卒業後、厚生労働省が指定する歯科大学および大学の歯学部を卒業しなければ、試験を受けることができません。取得後も1年間の研修期間があります。大学は、学費に大きな差があるので、国公立に人気が集中しており、一方、私立にはほぼ無競争状態になっている学校もあります。しかし国家試験の難易度は、増えすぎた歯科医師数を抑制するために、年々、高度になっており、合格が難しくなっている傾向にあります。



歯科医師資格の難易度偏差値

偏差値63
難関
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 歯科医師免許 取得
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

願書受付
2019年11月1日~2019年11月29日
試験日
2020年2月1日~2020年2月2日
合格発表
2020年3月16日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

歯科医師資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
国家資格 就職や転職にかなり有利 業務独占資格 横綱クラス 通学

歯科医師試験概要

受験資格 ・大学において歯学の正規の課程を修めて卒業した者(3月までに卒業見込みの者を含む)
・歯科医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後1年以上の診療および口腔衛生に関する実地修練を経たもの(3月までに実地修練を終える見込みの者を含む)
・外国の歯科医学校を卒業、または外国で歯科医師免許を得た者であって、厚生労働大臣が上記に掲げる者と同等以上の学力および技能を有し、かつ適当と認定したもの
・沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令の規定により歯科医師法の規定による歯科医師免許を受けたものとみなされる者であって、厚生労働大臣が認定したもの
試験内容
試験内容

臨床上必要な歯科医学および口腔衛生に関して、歯科医師として具有すべき知識および技能
合格率 65.6%
願書受付期間 11月上旬~下旬
試験日程 2月上旬(2日間)
受験地 北海道・宮城・東京・新潟・愛知・大阪・広島・福岡
受験料 18900円
合格発表日 3月中旬
受験申込・問合せ 各地方厚生局および支局

厚生労働省 医政局歯科保健課
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1丁目2番2号
TEL 03(5253)1111
ホームページ 歯科医師国家試験の施行について|厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/shikaishi/

歯科医師のレビュー

(2件)
太郎
将来性のある資格だと思います

2021年08月13日
歯科医師免許を取得するには越えるべきハードルが多々ありますが絶対に歯科医師になるんだ!という強い気持ちを持って勉強に励めば必ず道は開けると思います

自分がやっていた勉強方法は過去問10年分を一通り(10周程度)勉強したらその後はひたすら教科書を読み込むんでいました
6年の時は国家試験に向けて1日15時間以上は勉強し倒れる寸前まで勉強しました
学生の皆様は辛いこともたくさんあると思いますが陰ながら応援しております!
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きむ
国家資格が欲しかった女子高生時代

2019年11月14日
自分が高校生の頃、大学生のいとこが就職活動をしていました。ちょうどそのころは就職氷河期と言われてた時代で、いとこが就職活動に苦戦していたのを今でも覚えています。
そんな彼女を見ていたので「ただ大卒というだけでは強味にはならない」と感じていました。
しかも就職活動で必要であろう、他人に勝てるような自己アピール力がないことは女子高生ながら自覚していたのです。なので、将来の就職のことを考え「国家資格の取れる大学、学部に行こう」と決めました。また、専業主婦の母に「きっとこれからは女性も働く時代になるから資格を持っていたら強みになる」と背中を後押ししてもらったことも大きかったと思います。
ただ、その時点で歯学部に決めていたわけではありません。自分の学力や学費や大学の場所などを総合的に見て、自分が最大限努力出来たとして、ぎりぎり届きそうな国立大学の歯学部に目標を決めました。
そして志望大学に合格し、6年の大学生活を経て無事に歯科医師国家試験に合格、歯科医師になりました。国家資格の強みはやはり感じていて、勤務医としての就職先は全国にあり、
就職先がなくて苦労するということはありません。公務員や企業に勤める女友達は自分で勤務地を選択できないので、自身の結婚や夫の転勤などの都合で簡単に仕事を辞めることが出来ない、もしやめてしまえば移った先で0からのキャリア形成になる可能性が高いと嘆いていました。歯科医師に限らず専門性の高い国家資格は勤務地が変わっても(人間関係は0からになるますが…)、多くの場合それまでの経験を生かした仕事ができます。
しかし、歯科医師は他の医療系資格を持つ人と大きく異なる点があります。それは「多くの歯科医師が開業し、歯科医師兼経営者になる」ということです。私にとってそこは盲点で
した。最近は歯科業界も変わってきて、勤務医を多く雇うような全国展開のクリニックも増えてきているので開業せずに一生勤務医でやっていくひとも増えてきています。ただ、自分のやりたい治療をやろうと考えると自分で開業し、環境から整えなくてはいけません。歯の治療だけしてればいいのではなく、スタッフを雇い、開業時の多額の借金を返済しながら仕事をしなければならないのです。大学では歯の治療のことは習いますが、経営のことは教えてくれません。歯科大生に経営の授業をするべきという声も出てきています。
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