司法書士
住宅の購入や会社の設立などに際して、各種の登記手続を代行する司法書士。代行手数料が収入になるほか、法律に関わるさまざまな相談に応じて専門家の助言を提供するのも仕事の一部です。資格試験に合格すれば、ただちに独立開業も可能ですが、ある程度の基盤や信用がなければ、軌道に乗せるまでには苦労を強いられるでしょう。
資格詳細
司法書士は、主に裁判所や法務局、検察庁などの公官庁に提出するための書類を作成する能力を認定する国家資格です。具体的には、企業や個人から委託を受けて、会社の設立や役員人事、あるいは不動産売買などの際に必要となる各種「登記」を代行します。2004年からは、司法書士法の改正により、それまで弁護士に独占されていた訴訟代理や法律相談といった業務もできるようになり、仕事の幅が広がっています。ただし訴訟関連業務をおこなうには、法務大臣指定の法人が実施する研修を受け、認定してもらう必要があります。
活躍場所
司法書士の多くは、独立した司法書士事務所や総合的な法律事務所などに勤務し、クライアントの依頼に応じて、各種の登記を代行します。法律家として見た場合、業務に必要な知識は限定されますが、それでも充分に範囲は広く、企業を相手に会社の立ち上げや役員の配置換えをサポートしたり、個人を相手に不動産の登記を手伝ったり、さまざまな訴訟に関する相談に応じたりと、活躍の場は少なくありません。登記の代行などを通じて、官と民との重要なパイプ役を果たしています。
収入と将来性
司法書士の資格を取得して、ただちに独立開業しても、なにか特別な好条件がない限り、事業はうまくゆかないでしょう。通常は、既存の司法書士の事務所に所属して、経験を積み、顧客の信頼を得て人脈をきずいてのち、独立します。事務所所属の新人時代には、さほど高収入は期待できませんが、独立後には、その評判に応じて収入が増えてゆきます。公務員に近いような仕事内容から、司法書士は社会に不可欠な存在であり、需要は常にありますので、将来性のある職業です。独立開業までに、宅建主任者や土地家屋調査士、行政書士といった不動産登記の関連資格も取得しておけば、総合的な法律事務所を立ち上げることができ、より事業が成功しやすくなるでしょう。
向いている人
とにかく法律の知識が求められるお仕事ですので、難解な法関係文書でも注意深く読み解ける人に向いています。注意力と集中力に長け、書式の作成のような繊細な作業を完璧にこなせる人でないと、事業の成功どころか国家試験の合格もあやういでしょう。試験は最高難度の狭き門ですので、まずは厳しい受験勉強を貫徹できる精神力を持っていることが、大前提と言えるかもしれません。
取得方法
司法書士の国家試験は、合格率3%に満たない超難関です。しかしながら、受験資格が不問であり、受験料も高くないため、ダメ元での受験者も少なくないので、合格率の低さに臆する必要はありません。とはいえ広範な法律の知識が要求されるため、猛勉強は必至です。独学で挑戦する人もいますが、試験範囲が広いため、専門学校にかよったり、通信講座を受講したりして、効率的に学習し、しっかりと受験対策をほどこしてもらうのが無難でしょう。先に実務経験を積んでしまう人もいますが、その場合も受験対策は必須です。試験範囲内の知識に抜けがないかどうか、徹底的に自己検証しましょう。
司法書士資格の難易度偏差値
超難関 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 司法書士試験 合格
平成○年○月○日 司法書士 登録
平成○年○月○日 司法書士 登録
所轄・主催:
法務省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
2020年資格日程
願書受付
2020年5月1日~2020年5月18日
試験日
2020年7月5日
合格発表
2020年10月1日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
司法書士資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
国家資格 | 専門的資格(秀) | 業務独占資格 | 横綱クラス | 独学 通学 通信 |
司法書士試験概要
受験資格 | 不問 |
試験内容 | 筆記試験 前回に筆記試験に合格している者は、筆記試験が免除される。 午前: 多肢択一式・憲法、民法、商法(会社法その他の商法分野に関する法令を含む)および刑法に関する知識 午後: 多肢択一式と記述式・不動産登記および商業(法人)登記に関する知識(登記申請書の作成に関するものを含む) ・供託ならびに民事訴訟、民事執行および民事保全に関する知識 ・その他、業務に必要な知識および能力 口述試験 筆記試験に合格した者は、口述試験を受けることができる。 ・不動産登記および商業(法人)登記に関する知識(登記申請書の作成に関するものを含む) ・その他、業務に必要な知識および能力 |
合格率 | 4.4% |
願書受付期間 | 5月上旬~5月中旬 |
試験日程 | 筆記: 7月上旬口述: 10月中旬 |
受験地 | 法務局または地方法務局がそれぞれに指定した場所 |
受験料 | 8000円 |
合格発表日 | 11月上旬 | 受験申込・問合せ | 法務局または地方法務局の総務課 | ホームページ | 法務省:司法書士試験 http://www.moj.go.jp/shikaku_saiyo_index3.html |
司法書士のレビュー
(1件)
辺見
資格取得~取得後
2022年09月20日
大学を卒業後、某企業に就職して5年が経ち、連日の残業に疲れ切っていたところで、とある資格学校の広告を目にしました。そこにあった「一発合格できて年収1000万以上」との文言に惹かれて退職を決意し、司法書士を目指すことにしました。
大金をかけて資格学校に通い、必死に勉強して司法書士の「一発合格」は果たせましたが、その後の現実は甘くないです。
司法書士の資格を取得した人は、独立か司法書士事務所への就職の2つの道から選ぶことになります。私は実務経験なしで独立する勇気がなかったので就職先を探しました。
そして司法書士事務所では「年収1000万」とはほど遠く、その3分の1にも満たない収入になることがわかりました。事務所で数年の実務経験を積んで独立してしまう人が大半なので、給与が低い傾向にあるようです。
私は将来的にも独立を考えてはいないので、できるだけ好条件の事務所を探すことに。行き着いた先は、自分で依頼を直接受けられるが、報酬の30%を納めるという形式の事務所です。
司法書士になったばかりでは直接依頼される仕事はほとんどありませんでしたが、数年で徐々にクチコミが広まり、個人的な知人からの依頼なども増えてきました。これには前職の仕事にはなかった喜びを感じています。
高度な資格を取ったところで、一気に人生が変わることはありません。地道な努力の積み重ねが必要なのだと再認識させられました。いまだ「年収1000万」には届きませんが、やりがいのある仕事で毎日が充実しています。
なお、司法書士に限らず資格の取得を目指すときは、取得後に見込める待遇面などの情報を事前に調べておくことをお勧めします。
大金をかけて資格学校に通い、必死に勉強して司法書士の「一発合格」は果たせましたが、その後の現実は甘くないです。
司法書士の資格を取得した人は、独立か司法書士事務所への就職の2つの道から選ぶことになります。私は実務経験なしで独立する勇気がなかったので就職先を探しました。
そして司法書士事務所では「年収1000万」とはほど遠く、その3分の1にも満たない収入になることがわかりました。事務所で数年の実務経験を積んで独立してしまう人が大半なので、給与が低い傾向にあるようです。
私は将来的にも独立を考えてはいないので、できるだけ好条件の事務所を探すことに。行き着いた先は、自分で依頼を直接受けられるが、報酬の30%を納めるという形式の事務所です。
司法書士になったばかりでは直接依頼される仕事はほとんどありませんでしたが、数年で徐々にクチコミが広まり、個人的な知人からの依頼なども増えてきました。これには前職の仕事にはなかった喜びを感じています。
高度な資格を取ったところで、一気に人生が変わることはありません。地道な努力の積み重ねが必要なのだと再認識させられました。いまだ「年収1000万」には届きませんが、やりがいのある仕事で毎日が充実しています。
なお、司法書士に限らず資格の取得を目指すときは、取得後に見込める待遇面などの情報を事前に調べておくことをお勧めします。
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