建築設備士
建築設備士とは、建築の設備について全般的な知識および技能を持ち、設備の設計や工事監理について建築士に適切な助言をおこなえる人材であることを証明する国家資格です。建築設備が高度化かつ複雑化した現在では、それらに精通した建築設備士の役割が大きくなっています。ただし建築に関する実務経験が豊富でなければ、なかなか取得は困難となっています。
資格詳細
建築設備士とは、建築設備(空調、給排水衛生、電気など)全般における知識および技能を持ち、建築士に対して、高度化・複雑化した建築設備の設計・工事監理に関して適切なアドバイスを行うことができる資格者を言います。なお、注意する点としては、この資格は、国家資格の位置づけですが、建築士と異なり直接、建築物の設計や工事監理に携わるために必要な免許資格ではありません。ただし、この資格を取得することにより、実務経験4年で一級建築士試験の受験資格や実務経験不要で二級建築士の受験資格が与えられますので、建築士を目指す方には大きな魅力となります。
活躍場所
近年の建築設備とは、建築物における給排水配管、ダクト、ポンプ、空調機器、照明類などがコンピュータ制御されたシステムを指します。当然、インテリジェンスビルや複合ショッピングセンターなどは、高度なシステム化が実現されています。よって、この資格が活躍できる場所としては、建設会社、設計事務所、電気・空調の設備メーカにおける設備設計や管理監督としての技術者が中心となります。また、不動産会社、ビル管理会社などにおいても設備技術者としての需要も多くありますので、活躍できる場所のすそ野は広いと言えるでしょう。
収入と将来性
建築設備士の主業務は、建築士に対して建築設備業務におけるアドバイスとなるため、建築士が、そのアドバイスを有効と判断して設計図書に反映した場合には、役所に提出する建築確認申請に建築設備士の名前を明記しなければなりません。また、建築士事務所の開設者(代表)が、建築主(オーナー)から設計の委託を受けた際に、建築主に交付する書面に記載する事項として、その業務に従事する建築設備士の氏名が規定されています。このように近年は、建築物への安全性や高度化した技術への必要性から有効なアドバイスを求めることが増えており、また安心を担保する背景から建築設備士の需要も増加傾向あります。もちろん、それに伴い、有資格者に対する収入も期待できる環境になってきています。
向いている人
この資格を保有する上で大切なことは、建築全般のことはもちろんのこと。電気、給排水、空調機械などの設備全般についての知識や技能が必要です。特に、設計業務に携わる場合には、設計図面を作成するのでCADシステムの利用技術は必須になります。また、現場監理の業務の場合には、施工者とのコミュニケーションや説明能力は不可欠です。このように幅広いスキルや能力が求められますが、根底にあるのは、建築と設備に対する日々の好奇心と仕事に対する責任感だと思います。つまり、地味なことでもコツコツできる方がこの資格に向いているでしょう。
取得方法
この試験は、公益財団法人 建築技術教育普及センターが実施する試験に合格する必要があります。試験は、学科の第一次試験と設計製図の第二次試験で構成されています。一次試験の勉強方法としては、テキストや参考書などを熟読してから過去問を徹底して解くことで突破できる可能性が高いでしょう。しかし、二次試験は、文章記述を主体とした基本計画と作図を主体とした基本設計なので、独学よりは電気設備学会や空気調和・衛生工学会などが主催する講習会への参加や試験対策向けの専門学校への入校などが試験突破の近道となるでしょう。
建築設備士資格の難易度偏差値
普通 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 建築設備士試験 合格
所轄・主催:
国土交通省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
2020年資格日程
願書受付
2020年3月2日~2020年3月19日
試験日
2020年6月21日
合格発表
2020年7月30日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
建築設備士資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
国家資格 | キャリアアップ(優) | 名称独占資格 | 横綱クラス | 独学 通学 |
建築設備士試験概要
受験資格 | ・学歴を有する者(大学、短期大学、高等学校、専修学校等の正規の建築、機械又は電気に関する課程を修めて卒業した者) ・一級建築士等の資格取得者 ・建築設備に関する実務経験を有する者 以上それぞれに実務経験年数が必要になる。 |
試験内容 | 学科の試験 ・建築一般知識 ・建築法規 ・建築設備 設計製図の試験 ・建築設備基本計画および建築設備基本設計製図 |
合格率 | 19.1% |
願書受付期間 | 3月上旬~3月下旬 |
試験日程 | 学科の試験: 6月下旬設計製図の試験: 8月下旬 |
受験地 | 札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・沖縄 ※沖縄は学科のみ。沖縄の受験者の製図は福岡になる。 |
受験料 | 36300円 |
合格発表日 | 10月下旬 | 受験申込・問合せ | 公益財団法人 建築技術教育普及センター 〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6 TEL 03-6261-3310 |
ホームページ | 建築設備士 http://www.jaeic.or.jp/bmee.htm |