海技士試験 海技士(電子通信)
大型船舶の運航には、国土交通省が実施する海技士試験に合格して、海技士免許を取得することが必須条件になります。また、航行する区域や船舶の大きさなどにより、いくつかの種類や級に細分化されており、多角的に航海の安全を支えるシステムになっています。
資格詳細
海技士 (電子通信)は、国土交通省管轄の海技従事者資格のうちの1つです。海技従事者資格とは、大型の船舶に、船長、航海士、機関士、通信士として乗船するために必要な資格であり、それぞれの役割に大きな違いがあります。海技士(電子通信)は、遠洋漁業を行う漁船などで、船舶内の無線局設備機器インマルサット無線を通じて他の船舶や陸地とスムーズに連絡を取り、安全航行のための情報を集める専門家です。現在の新しい海上無線通信システムGMDSSが導入され、これまでのモールス通信が必須でなくなってからの、船舶での通信長と通信士に必要な資格となります。海技士 (電子通信)の資格は、電子通信設備の操作範囲に応じて、1級から4級に分かれており、通信長を目指す場合は3級以上の等級が必要です。なお、受験資格として、17歳9か月以上であることと、一定の乗船履歴が必須です。乗船履歴については細かく規定されていますので、詳しくは国土交通省ホームページの海技士資格・免許のページで確認しておきましょう。また、無線従事者の免許証も必要です。試験は、筆記試験のほかに身体検査がありますが、この身体検査をクリアしなければ筆記試験を受験することができません。必要な身体的条件は小型船舶操縦士の場合より厳しく、現役の通信士でも条件に適合しなければ業務に就けないようです。
活躍場所
海運業界、水産業界などに就職し、大型船舶の通信士として活躍が期待されます。
収入と将来性
海技士の年収はそれぞれの階級や等級で決められています。最も年収が高いのは船長で、そのあとに、一等航海士、機関長、通信長、二等航海士、一等機関士、二等通信士という順番になるようです。通信士として高収入を得たいのであれば、通信長を目指すのが良いでしょう。なお、船長や航海士が無線従事者の免許を取得することで通信業務を兼務できるようになったため、現在は通信長や通信士の求人はあまり多くはない状況です。しかし、船員求人情報ネットを見ると、遠洋まぐろ漁船で通信長の募集が出ています。他にも海上保安庁で時々需要があるようです。
向いている人
無線工学や電気・電子関係に関心があることはもちろん、受験資格として通信員としての乗船履歴、無線従事者資格と船舶局無線従事者証明が必要です。それらの条件を満たしている人にとっては、取得しておくと役立つ資格です。
取得方法
動力、設備などの船舶知識や気象、緊急時の知識について出題される学科試験と、視力、聴力、疾患の有無を調べる身体検査があります。学科試験は過去問を勉強しておくと、8割が解けるといわれていますが、海技士(電子通信)の教材が出回っていないようですので、成山堂書店が出版している「五級海技士(航海)筆記試験」の問題集を使うのが一般的な勉強法だそうです。電子通信の資格は、級にかかわらず無線従事者の資格も必要ですので、所持していない場合は別途対策が必要になります。また、通信員としての乗船履歴がない場合、まず規程の乗船履歴を満たすことが必要です。
海技士試験 海技士(電子通信)資格の難易度偏差値
1級 | 2級 | 3級 | 4級 |
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普通 |
普通 |
簡単 |
簡単 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 海技士(電子通信)○級免状 取得
所轄・主催:
国土交通省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
2023年資格日程
会場により日程が異なる
願書受付
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
試験日
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
合格発表
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
海技士試験 海技士(電子通信)資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
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国家資格 | 就職や転職にかなり有利 | 業務独占資格 | 横綱クラス | 独学 通信 |
海技士試験 海技士(電子通信)試験概要
受験資格 | ・17歳9カ月以上 ・級ごとに定められた乗船履歴 ・無線従事者の免許 ※免許の取得は18歳以上 |
試験内容 | 身体検査 視力・聴力・眼疾患・ほか疾病、身体機能障害 学科試験: 筆記試験(多肢選択)航海一般 1級: 現行の船舶安全法第4条第1項の規定による無線電信又は無線電話を有し、かつ無線部船舶職員の乗り組みを要するすべての船舶。2級: 無線電信等を有し無線部船舶職員の乗り組みを要する船舶。ただし国際航海に従事する旅客船でA3水域又はA4水域を航行し、無線電信等の船上保守を行うものは除く。3級: 無線電信等を有し無線部船舶職員の乗り組みを要する船舶で、無線電信等の船上保守を行わないもの。4級: インマルサット無線設備を有し無線部船舶職員の乗り組みを要する漁船で、無線電信等の二重化(インマルサット無線設備の二重化に限る)を行っているもの又は無線電信等の陸上保守を行うもの。 |
合格率 | 非公開 |
願書受付期間 | 試験日の35日(2月は40日)~15日前 |
試験日程 | 4月・7月・10月・2月 ※臨時試験もあり |
受験地 | 全国11カ所の地方運輸局 |
受験料 | 筆記試験 1級: 5000円2級: 5000円3級: 5000円4級: 2700円身体検査 全級: 870円 |
合格発表日 | 試験先の運輸局にて掲示または文書にて通知 | 受験申込・問合せ | 北海道運輸局 札幌市中央区大通西10 011-290-2772 東北運輸局 仙台市宮城野区鉄砲町1 022-791-7524 関東運輸局 横浜市中区北仲通5-57 045-211-7232 北陸信越運輸局 新潟市万代2-2-1 025-244-6128 中部運輸局 名古屋市中区三の丸2-2-1 052-952-8027 近畿運輸局 大阪市中央区大手前4-1-76 06-6949-6434 神戸運輸監理部 神戸市中央区波止場町1-1 078-321-7053 中国運輸局 広島市中区上八丁堀6-30 082-228-8794 四国運輸局 高松市朝日新町1-30 087-825-1190 九州運輸局 福岡市博多区博多駅東2-11-1 092-472-3176 沖縄総合事務局 那覇市おもろまち2-1-1 098-862-1454 |
ホームページ | 大型船舶を運航するためには(海技士) http://www.mlit.go.jp/kokkasiken/kaigisi_.html |