救命艇手/限定救命艇手
非常事態におちいった船から人々を助け出すために活躍する救命艇。その操作をおこなうには、救命艇手または限定救命艇手の資格が求められます。船員や旅客の誘導、救命設備の操作のほか、救命艇に食糧や道具を積み込むのも救命艇手の役割です。国外を航海する船には、救命艇手の資格が必要で、限定救命艇手の場合、国内かつ膨張式救命イカダのみ取り扱うことができます。
資格詳細
救命艇手とは、船舶の海難事故に備え、救命艇の整備や管理をするための国家資格です。船舶が非常事態に陥った場合、救命艇に食料や航海用具を積み込み、救命艇へ旅客を誘導し、救命艇の操作や指示などを行います。旅客船や搭乗員100人以上の船には、救命艇手を配置することが船員法で定められているため、大型船や旅客船に欠かせない存在です。救命艇の数や乗員に応じて、船舶に乗るべき救命艇手の人数が決められており、船員の中から選任されます。限定救命艇手は、救命艇すべてを扱える救命艇手と異なり、国内を航行する膨張式救命いかだのみを扱うための資格です。それ以外は、救命艇手とほぼ同様の任務を担います。限定救命艇手は、3日間の登録講習を受講すると資格を取得できます。救命艇手になるには国家試験を受験しますが、受験資格として18歳以上で健康証明書を持ち、一定の年数以上の船舶業務経験があることが必要です。また、6ヵ月以上の船舶乗船経験がある人で、海技士の資格取得者や、海技大学校、海員学校などの卒業者は無試験で認定されます。詳細については国土交通省の地方運輸局のサイトで確認しておきましょう。試験は不定期で行われていますので、試験日程についても所管の地方運輸局へ問い合わせてください。なお、更新手続きを5年ごとに行う必要があるので注意しましょう。
活躍場所
海上保安庁や海上自衛隊、または船舶関連企業などに救命艇手として就職できます。また、この資格を活かして水産高校教員として活躍することもできるでしょう。
収入と将来性
救命艇手は船員の中から専任されるため、救命艇手として給与をもらうのではなく、船員としての収入になります。航海士の平均年収は階級や所有する資格、経験によりさまざまですが、客船やフェリーの乗務員が取得しておくと収入面で有利になる資格といえるでしょう。自然災害が起こりやすい日本では、船舶でのトラブルは今日に至るまで数多く起きています。救命艇手は万が一の非常時に備えて待機が必要な任務があるため、今後も需要が高いでしょう。
向いている人
船舶が非常事態に陥った際に、誰よりも冷静な対処が求められるのが救命艇手です。特に客船においては、トラブル時の対処が後々に大きな問題となってきます。そのため、万が一の時には自分の命を顧みず、お客さんや乗員を守る勇気と冷静な判断力を持っている人に適性があるでしょう。
取得方法
学科試験では、非常事態の知識、救命艇の種類や設備の知識、実際に救命に使う措置法についての知識などが問われます。実地試験では、実際の救命胴衣の着用、救命艇の起こし方、医療措置などが問われます。救命艇手の試験は、受験資格を満たしていることですでに知識量に問題ないと考えられているようですが、試験科目の内容を整理しておくと、試験に余裕をもって臨めるでしょう。
救命艇手/限定救命艇手資格の難易度偏差値
救命艇手 | 限定救命艇手 |
---|---|
超簡単 |
超簡単 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 救命艇手 合格
所轄・主催:
国土交通省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
2020年資格日程
地方運輸局長が申請を受理した際に必要事項を定めるため試験は不定期。
願書受付
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
試験日
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
合格発表
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
救命艇手/限定救命艇手資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
国家資格 | キャリアアップ(良) | 業務独占資格 | 横綱クラス | 独学 講習 |
救命艇手/限定救命艇手試験概要
受験資格 | ・18歳以上 ・健康証明書を所持 救命艇手 ・遠洋区域もしくは近海区域を航行区域とする船舶または総トン数500トン以上の漁船に1年以上甲板部の職員または部員として乗り組んだ者 ・その他の船舶に2年以上甲板部の職員又は部員として乗り組んだ者 ・その他の船舶に3年(救命艇手)または1年(限定救命艇手)以上乗り組んだ者 ※6ヵ月以上の船舶乗船経験者で以下のいずれかに該当する者は試験不要。 ・海技士(航海、機関、通信)のいずれかの資格にかかる海技従事者 ・大学、高等専門学校、高等学校において救命艇の操作に関する教科課程を修めて卒業した者 ・海技大学校、海員学校、海上保安大学校、海上保安学校または、水産大学校を卒業した者 ・国土交通省が認定した講習を修了した者 限定救命艇手 ・船舶に6ヶ月以上乗り組んだ者 |
試験内容 | 救命艇手 筆記試験 ・救命艇、いかだ内の措置 ・衝突、火災、沈没等非常事態の知識 ・非常任務、消火知識 ・救命艇の種類等の知識 ・設備・構造知識 ・救命艇推進装置の知識 実技試験 ・救命胴衣の知識 ・救命艇の起こし方 ・救命艇の表示・医療措置 限定救命艇手(講習) 筆記講習 ・船員としての一般知識 ・操練に関する知識 ・旅客の誘導に関する知識 ・膨張式救命いかだ、救命設備及び信号装置に関する知識 ・船員法その他船員の安全及び衛生に関する法令 実技講習 ・救命器具及び信号装置の取扱方法 ・膨張式救命いかだの取扱方法 ・膨張式救命いかだの艤装品の取扱方法 |
合格率 | 非公開 |
願書受付期間 | 救命艇手: 不定期 |
試験日程 | 救命艇手: 不定期※地方運輸局長により告示 限定救命艇手: 国土交通省より委託講習を受けた所で受講 |
受験地 | 救命艇手: 不定※地方運輸局長により告示 限定救命艇手: 国土交通省より委託講習を受けた所で受講 |
受験料 | 5000円 |
合格発表日 | 救命艇手: 不定期 |
受験申込・問合せ | 各地方運輸局 船員労働環境・海技資格課 | ホームページ | 救命艇手規則 http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=337M50000800047 |