水先人
水先人とは、「水先案内人」の名で比喩として使われることが多いですが、船舶が安全に入港できるように、水路を案内する仕事です。特に衝突などの事故が起きやすい危険な水域で重要な任務を果たしており、全国35の水先区にて活躍しています。受験には、養成施設で課程を修了することや乗船経験があることが条件となります。
資格詳細
水先人とは、船舶が行き交う港や海峡において、航行中のトラブルを防ぐために、船長の補佐役として乗船し、安全かつ効率的に船舶を導いていく専門家です。広大な海のすべてを船長が一人で把握するのは困難なため、必要に応じて各水域に精通した水先人が船長にアドバイスします。特に、衝突などのトラブルが起きやすい危険水域において重要な任務を果たしています。水先人が乗船した場合の安全率は乗船しない場合よりかなり高くなると言われている通り、水先人は抜きん出た知識や技能を有するプロフェッショナルです。水先人の免許の交付は、水先区毎に行われ、免許を受けた水先区においてのみ水先業務を行うことができます。
活躍場所
水先人の免許は、それぞれの水先区毎に分かれているため、水先人は所有する免許に応じた水先区域で活躍しています。全国には35の水先区があり、規模は大小さまざまですが、水先実績の高い港や海域は、苫小牧、室蘭、仙台、鹿島、東京湾、伊勢三河湾、大阪湾、内海、関門などです。中でも船の出入りが多い混雑しやすい港や地形が複雑な海域などの水先区は、水先人の乗船が義務づけられる強制水先区(東京湾、横須賀、川崎、大坂湾、関門など)に設定されています。
収入と将来性
専門的な高度な知識を要する水先人の収入は必然的に高くなります。特に、1級の水先人は50代・60代といったベテランが多く、かなりの年収を稼いでいる水先人もいます。経験を積むほど、収入もアップしやすい職種といえるでしょう。3級の水先人の場合は業務ができる船舶が2万トンまでの船舶ですが、1級になると制限が無くなるため、頑張ってステップアップするほど収入が期待できます。船舶は年々大型化しており、港も混雑してきています。今後も海難事故防止のため、水先人へのニーズは高まっていくでしょう。
向いている人
船舶は航行時に、天候の急変や潮流の変化、または航法を違反し接近してくる船舶など、常に危険と隣り合わせであり、緊張が高まる場面に出会うことも少なくありません。そのため水先人には冷静で注意深い判断力が求められます。また、水先人が乗船する船の多くが外国船なので、当然ですが船長や乗組員も大半が外国人です。情報交換もすべて英語で行われ、緊急事態発生時にも慌てずに英語で意思疎通をする必要があるため、高い英会話能力が必須です。そのため、英語を学ぶことに抵抗のないことが望まれます。なお、60代でも活躍できる仕事なので一生の仕事となります。そのためにも健康で体力があること、いつまでも働く意欲がある人にも向いている仕事といえるでしょう。
取得方法
水先人試験を受験するには、登録水先人養成施設で課程を修了することが必要です。養成コースでは、約1年間の実船研修があり、指導水先人と乗船して、水先業務を実際に見せてもらうことで、操船方法を習得していきます。水先人の世界は職人色が強いので、先輩の背中を見ながら実際にやって覚えるのが一番のようです。水先人試験の学術試験では海図描画も含まれますが、どこの港の海図が出題されても慌てないように、何種類もの港の海図を描けるようにしておくことが必要です。また、身体検査もあるため、日頃から不摂生な生活をしないように健康に留意して生活しましょう。
水先人資格の難易度偏差値
1級 | 2級 | 3級 |
---|---|---|
難関 |
難関 |
難関 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 水先人○級免許 取得
所轄・主催:
国土交通省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
2020年資格日程
記載内容は三級水先人のもの
願書受付
2019年8月1日~2020年6月30日
試験日
2020年9月頃
合格発表
試験実施から約10日後
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
水先人資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
国家資格 | 就職や転職にやや有利 | 業務独占資格 | 横綱クラス | 独学 通学 |
水先人試験概要
受験資格 | 3級 (無資格から)・3級海技士(航海)以上を取得 ・総トン数1000t以上の船舶(平水区域を除く)で、1年以上船長又は航海士として乗船した経験もしくは1年以上練習船による実習を受けた経験 ・登録水先人養成施設にて3級水先人養成課程(2年6カ月)修了 2級 (3級から)・3級水先人として2年以上の実務経験 ・登録水先人養成施設にて2級水先人養成課程(6カ月)修了 2級 (無資格から)・3級海技士(航海)以上を取得 ・総トン数3000t以上の船舶(平水区域を除く)で、2年以上船長又は一等航海士として乗船した経験 ・登録水先人養成施設にて2級水先人養成課程(1年6カ月)修了 1級 (2級から)・2級水先人として2年以上の実務経験 ・登録水先人養成施設にて1級水先人養成課程(3カ月)修了 1級 (無資格から)・3級海技士(航海)以上を取得 ・総トン数3000t以上の船舶(平水区域を除く)で、2年以上船長として乗船した経験 ・登録水先人養成施設にて1級水先人養成課程(9カ月)修了 |
試験内容 | 3級: 2万トンまでの船舶(危険物積載船は不可)2級: 5万トンまでの船舶(危険物積載船は2万トンまで)1級: 船舶制限なし一次試験: 身体検査一次試験: 筆記試験・海上事故予防法規 ・海上交通安全法 ・操船知識 ・気象知識 ・港湾知識 二次試験: 口述試験・気象・海象知識 ・水深、距離、障害物、航路標識等の知識 ・操船知識 ・国際通信信号知識 (国際信号旗など) ・条例、規則 ・英会話 ・一次試験範囲の応用問題 |
合格率 | 95.6%(1級) |
願書受付期間 | 試験日の約1カ月前から |
試験日程 | 一次試験: 5~6月(2日間)二次試験: 11~1月 |
受験地 | 一次試験: 東京二次試験: 地方運輸局所在地 |
受験料 | 一次試験(筆記試験): 6500円二次試験(口述試験): 16300円※ほか養成施設の学費などがかかる |
合格発表日 | 試験日の約2週間後 | 受験申込・問合せ | 国土交通省海事局海技課水先係 TEL 03-5253-8655 |
ホームページ | 水先人 PILOT http://www.mlit.go.jp/maritime/shikaku/mizusaki2/ |