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金属溶解技能士

金属溶解技能士は、金属を溶かす技術に関する専門家です。資格は溶解方法ごとに、鋳鉄キュポラ溶解作業、鋳鋼誘導炉溶解作業、鋳鉄誘導炉溶解作業、鋳鋼アーク炉溶解作業、軽合金反射炉溶解作業に分かれており、それぞれ1級と2級に分かれています。試験は都道府県知事が実施し、学科試験と実技試験からなります。

資格詳細
各種の工業部品などに使われる鋳鉄材料は、アーク炉や誘導炉を使用して溶解します。溶かした金属を鋳型に注ぎ込み、製作物を作り出す製造方法を鋳造といい、出来上がったものを鋳物と呼びます。これらの鋳物製造過程で必要な技術のひとつが金属溶解ですので、金属溶解技能士は鋳物工にとって役立つ資格です。鋳物工は資格がなくても見習いから始められますが、経験を積んでいく過程で技能士の資格を目指すと良いでしょう。金属溶解技能士は、金属溶解に必要な技能を認証する国家資格です。検定は1級と2級があり、原則実務経験が必要です。試験の選択科目は、以前5つの作業区分に分かれていましたが、平成26年度の試験から作業区分が統合され、現在は鋳鉄溶解作業・鋳鋼溶解作業・軽合金溶解炉溶解作業の3つに分かれています。金属溶解技能士と鋳造技能士の資格を持っていると、転職の際に優遇される可能性が高いでしょう。

活躍場所
鋳物製造会社に就職し、鋳物工としての活躍が期待されます。工作機械、産業機械などについては大企業の下請けが存在しますが、最近は中小企業が大半で、工場を地方に移している企業が多い傾向があります。

収入と将来性
鋳物工は経験が重視される仕事のため、1人前になるまでは一般の平均的な収入を下回りますが、勤務年数が10年くらいになると、ある程度の収入が期待できるでしょう。また、鋳物でも特殊な受注を受けている企業ほど、収入は安定しており、部品関係は、一般的には給与が低めのようです。溶解などの高熱作業の場合には特別手当が支給される場合もあり、さらに鋳造技能士や金属溶解技能士の資格取得者は優遇されることが多いので、転職の際にも有利になるでしょう。鋳物は自動車、工作機械、造船など幅広い分野で使用されるため、工場は全国に広がっており、求人は比較的多いですが、実際には職人の数が少なく、労働者数はここ数年あまり伸びていません。ただし、最近は中途採用が増えているので、中高年の転職が多くなってきています。今後は、高機能、高品質の製品を作るために、溶解技術や造型技術の向上が求められており、不良品を出さないための生産管理技術、CO2低減、省エネなどが課題となっています。

向いている人
溶かした金属を型に流し込み鋳物を製造する技法に関心があることはもちろん、高温の金属を扱う仕事のため、火傷やけがをしないように、徹底した集中力と注意深さ、安全への気配りが求められます。作業環境が暑いので体力も必要となるでしょう。

取得方法
金属溶解技能士の試験対策に関する情報が見つかりませんが、過去に実施された金属溶解(鋳鉄溶解作業)の1級・2級の試験問題は、中央職業能力開発協会のサイトで見ることができます。学科試験も実技試験(製作等作業試験、判断等作業試験、計画立案等作業試験)も正解表がついていますので、試験勉強に役立つでしょう。ちなみに1級の実技試験では、装入材料の配合計算、操炉、顕微鏡写真による鋳鉄の組織判定、黒鉛球状化率の判定などが行われました。



金属溶解技能士資格の難易度偏差値

1級 2級
偏差値52 偏差値44
普通
簡単
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 ○級金属溶解技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

記載内容は2級学科試験の情報。
願書受付
2020年10月5日~2020年10月16日
試験日
2020年1月
合格発表
2021年3月12日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

金属溶解技能士資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
国家資格 キャリアアップ(良) 名称独占資格 横綱クラス 独学 講習 通学

金属溶解技能士試験概要

受験資格
1級

・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験
※学歴により必要な実務経験年数が異なる

2級

・実務経験2年以上
※学歴により実務経験が不要になる
試験内容
1級

学科試験

・金属溶解炉一般
・品質管理
・材料試験
・機械工作法
・製図
・電気
・安全衛生
・選択科目
 ・鋳鉄キュポラ溶解作業法
 ・鋳鉄誘導炉溶解作業法
 ・鋳鋼アーク炉溶解作業法
 ・鋳鋼誘導炉溶解作業法
 ・軽合金反射炉溶解作業法
実技試験

・選択科目
 ・鋳鉄キュポラ溶解作業法
 ・鋳鉄誘導炉溶解作業法
 ・鋳鋼アーク炉溶解作業法
 ・鋳鋼誘導炉溶解作業法
 ・軽合金反射炉溶解作業法

2級

学科試験

・金属溶解炉一般
・材料試験
・機械工作法
・製図
・電気
・安全衛生
・選択科目
 ・鋳鉄キュポラ溶解作業法
 ・鋳鉄誘導炉溶解作業法
 ・鋳鋼アーク炉溶解作業法
 ・鋳鋼誘導炉溶解作業法
 ・軽合金反射炉溶解作業法
実技試験

・選択科目
 ・鋳鉄キュポラ溶解作業法
 ・鋳鉄誘導炉溶解作業法
 ・鋳鋼アーク炉溶解作業法
 ・鋳鋼誘導炉溶解作業法
 ・軽合金反射炉溶解作業法
合格率
願書受付期間 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬
試験日程
実技試験:
6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬
学科試験:
7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬
受験地 指定の試験場
受験料
学科試験:
3100円
実技試験:
18200円
※都道府県によって異なる場合がある
合格発表日 10月上旬・3月中旬
受験申込・問合せ 都道府県職業能力開発協会
※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照
ホームページ 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html

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