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表装技能士

住宅や旅館の和室の床の間には、よく掛軸がかけられていて、人々の目を楽しませてくれます。書道作品や日本画を、掛軸や巻物、屏風、ふすまなどに張ってより見栄えをよくする技術を「表装」と言います。表装技能士は、この表装に関する技能を認定する国家資格です。張るものごとに、表具作業と壁装作業に区分されています。

資格詳細
表装とは、絵や書などを布や和紙、糊を使って仕上げる作業をいい、掛軸、屏風、ふすまなどを表具品と呼んでいます。表装技能士は、表具品の壁装の張り上げや製作に必要な技能を認定する国家資格です。表装の仕事をするために必須の資格ではありませんが、国家公認の技能士と名乗れるようになるため、表具店や工務店などでは資格取得を推奨しています。表装の仕事は、一般家庭の個人用から、店舗リフォーム、美術品などの芸術的価値のあるものなど、扱う対象は幅広く、細かな手作業を行います。表具師になるには、一般的には訓練校に入学し、その後表具店や工房で技術を習得していきながら、表装技能士の試験を受けるのに必要な実務経験を積んでいきます。試験は、原則として年1回行われています。実技試験が学科試験より先に行われますが、各都道府県により実施条件や試験日が違います。また、学科試験は9月上旬に全国一斉に実施されます。一級表具技能士を名乗れる表具師は少ないため、表具店では重宝される存在です。

活躍場所
表具店、工務店、インテリア・リフォーム関連企業、住宅関連企業、博物館などが主な就職先ですが、まず見習いとして入社し、ある程度の技術を身につけてから現場に向かいます。あるいは表具師として自宅を工房に利用している場合も多いようです。

収入と将来性
表具師の年収は、見習い期間を過ぎると、一般の平均的な収入かそれよりもやや高めのようですが、勤務体系や待遇は会社や工房により大きく異なります。表装技能士の資格所有者には、資格手当を支給している会社が多いようです。表装は日本の伝統を受け継ぐ職人の仕事です。丁寧な手仕事によるふすまは、天候や季節が変わっても、時間が経っても、美しい状態を保ちます。この昔からの匠の技を受け継ぐ表装は、これからも身の回りの生活の中で日本的な美を飾リ続けるでしょう。表装は決して今後なくなる仕事ではありませんが、現実問題として、より手軽な化学糊も誕生しているため、表具師の仕事は以前より少なくなりつつあります。そのため、これからの表具師には時代のニーズに合わせた柔軟な考え方や働き方が求められるかもしれません。

向いている人
表装は繊細な和紙を扱う作業が多いため、手先が器用で、根気があり、何事にも集中力をもって取り組める人には向いています。貴重な文化財などを手掛ける仕事に携わることもあるため、伝統を継承するという高い意識を持つことも必要といえるでしょう。そのため、美術品や骨董品などの鑑賞が好きな人にもおすすめです。また営業も必要な職業ですので、コミュニケーション能力も必要です。

取得方法
表装技能士の試験は、学科と実技があり、まず実技試験が先に行われます。課題は事前に公表されますが、受験経験者の話によると、課題が理解しにくい場合は、実技試験対策講習会(有料)に参加するとよいそうです。なお、AmazonでDVD付きの表装(壁装作業)1級の実技試験対策講座のテキストを販売しています。DVDでは試験内容に沿って一級表装技能士が施工し、ポイントを紹介していますので、利用されてみるのもよいでしょう。実技試験は、課題の内容を把握し、何度も練習を重ねることが秘訣のようです。審査はミリ単位で行われますので、正確さがポイントになるでしょう。学科試験は内容が多岐にわたるため、とにかく浅くても幅広い知識が必要のようです。過去に実施された試験の問題が、中央能力開発協会のサイトで閲覧できますので、ぜひチェックして問題の傾向を把握しておきましょう。



表装技能士資格の難易度偏差値

1級 2級
偏差値52 偏差値44
普通
簡単
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 ○級表装技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

願書受付
2020年4月6日~2020年4月17日
試験日
2020年9月6日
合格発表
2020年10月2日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

表装技能士資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
国家資格 キャリアアップ(良) 名称独占資格 横綱クラス 独学 講習 通学

表装技能士試験概要

受験資格
1級

・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験
※学歴により必要な実務経験年数が異なる

2級

・実務経験2年以上
※学歴により実務経験が不要になる
試験内容
1級・2級

学科試験

・表装一般
・材料
・意匠図案および色彩
・建築概要
・関係法規
・安全衛生
・選択科目
 ・表具工作法
 ・壁装施工法
実技試験

・選択科目
 ・表具作業
 ・壁装作業
合格率
願書受付期間 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬
試験日程
実技試験:
6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬
学科試験:
7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬
受験地 指定の試験場
受験料
学科試験:
3100円
実技試験:
18200円
※都道府県によって異なる場合がある
合格発表日 10月上旬・3月中旬
受験申込・問合せ 都道府県職業能力開発協会
※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照
ホームページ 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html

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