漫画能力検定（漫検）

日本の漫画は、海外にもコミック、テレビアニメなどが数多く紹介されており、海外にも日本のアニメの熱狂的なファンが存在します。日本の大衆文化の一つとして高い評価を受けている漫画の描画能力をプロの審査員が評価する検定が漫画能力検定（漫検）です。本検定は、漫画制作の知識を問うのではなく、漫画やキャラクターを実際に描く点が大きな特徴です。漫検は、現在「漫画キャラクター検定」と、コマごとに効果や背景を描き込んで課題を完成させる「漫画アシスタント検定」の2つの試験を実施しています。漫画キャラクター検定は、4級から1級まで、漫画家アシスタント検定は、1級から3級までの試験区分があり、それぞれの級に応じた条件・課題またはテーマで漫画を描いていくものです。本検定はオンラインによる個人受験と、認定会場で行う団体受験があり、小・中・高校生から一般社会人まで、多くの漫画愛好者が挑戦しています。3級に合格するとシルバーカード、2級以上に合格するとゴールドの認定カードが発行されます。なお、これまで実施していた「漫画技法検定」と「ストーリー検定」については休止しており、現在実施の予定はありません。

漫検の資格を取得しても、すぐに漫画家として活躍できるわけではありません。しかし、検定ではプロが審査するため、あなたの漫画家としてのセンスがプロの目に留まれば、もしかしたら漫画家としてスタートできるかもしれません。漫画関連の仕事としては、漫画家のアシスタントや、出版社、デザイン事務所で働くという選択肢もあります。

漫画家の収入は、出版した単行本の売り上げが関係してきます。書籍の場合には著者に印税が手に入りますが、漫画家も同様です。また、雑誌に自身の作品が掲載されるごとに原稿料をもらえます。近年のグローバル化に伴い、日本の漫画は海外に輸出され、世界各国の多くの人に楽しまれており、漫検は中国でも実施されている検定です。認知が海外でも進んでいる国際色豊かな検定として、これからも本検定の受験者が増えていくことが予想されます。

小さいころから自分の好きなキャラクターを模写したり、創造したストーリーをつくってスケッチブックに描いたりした経験のある人におすすめの資格です。また、大学の、漫画同好会などに入って本格的に漫画制作に取り組んでいる方も受けてみるとよいでしょう。キャラクターを描くのが好きな方なら、年齢を問わずどなたでも受験できます。漫画能力検定（漫検）の評価を通して、描画技術を磨き、さらに豊かな表現力を養えるでしょう。

漫画キャラクター検定では、キャラクターを魅力的に描けることが求められます。そのためには、好きなキャラクターを模写するのが手軽な方法ですので、まずはそこから始めてみるとよいでしょう。その次には初心者向けの参考書を用意し、さまざまなポーズを描いたり、表情や髪型を描き分けたり、などの練習をしましょう。また、漫画家アシスタント検定の場合は、漫画独特の表現技法を覚えることが必要です。そのため、ベタ、ホワイト修正、集中線などの基礎的な技術を早めに習得して、正確かつ素早く表現できるように練習しておきましょう。参考書は「日本漫画能力検定協会」のサイトで購入できます。サイトには各検定の例題も掲載されていますので参考に見ておくとよいでしょう。