染色技能士
衣服や布製品に欠かせない染色は、生活にいろどりをあたえる大切な技術です。染色技能士は、各種の染色に関する技術を認定する国家資格で、糸浸染作業、型紙なせん作業、スクリーンなせん作業、染色補正作業、織物・ニット浸染作業に区分けされ、それぞれ実技試験の内容が大きく異なります。
資格詳細
糸や織物などを染色する仕事は、近年コンピューターで賄う部分が増えてきましたが、仕上がりを最終的に左右する部分は経験に裏打ちされた技術が必要と言われています。染色の技術は、本来、和服の模様や染めを補正する日本伝統の特殊技術であり、その歴史は300年にも及んでいます。そのような日本の染色文化の中で補正技法も発達してきました。現代では、国家から正式に染色(染色補正)技能と命名され、染色技能士という国家検定技能が定められています。染色技能士は、繊維製品の染色、生地に付着した汚れの修復、復元に必要な染色補正の技能を認定する国家資格です。1級と2級のレベルに分かれており、学科と技能の試験がありますが、非常に厳しい狭き門と言われています。最近では、染色技能士の資格は、クリーニング業界で注目されており、国家資格で唯一の染み抜き分野の資格です。染色技能士は、着物のお医者さんと呼ばれているほど、幅広い染色補正の知識を身につけています。試験は、染色補正、糸浸染、型紙なせん、スクリーンなせん、織物・ニット浸染の5つの作業区分に分かれています。実施職種は都道府県により異なりますので、実施の有無については、各都道府県職業能力開発協会で確認してください。現在は、染色補正作業のみ実施しているところが多いようです。
活躍場所
染物店、着物染み抜き専門店、クリーニング店、着物メーカー、呉服専門店などに就職し、工場や工房で作業します。テキスタイルやアパレルメーカーなどに就職する道もあるでしょう。染色工房で経験を積み重ねた後に独立して開業する人、染色教室などのワークショップを開催し講師として副収入を得ている人もいるようです。
収入と将来性
染色関連の仕事の収入はピンからキリまでといえます。工房のスタッフとしての収入は、雇用形態や会社の規模により変わりますが、決して高収入とはいえません。やりがい重視で仕事に従事している人も多いようです。染織工芸品の産地組合には約5000の工房や企業が属していますが、少人数で成り立っているところが多いのがこの業界の現状で、染色工房も経営規模が小さいという点で例外ではありません。一方で染色家として認められ、フリーランスで活躍している人の中には高収入を得ている人もいるようです。近年、海外製の繊維製品が多く輸入されており、国内産の繊維製品への需要が減少している傾向があり、染色工の仕事も以前より少なくなっているのが現状です。そのため、コンピューター制御などの新しい技術を習得する必要が今後出てくるでしょう。その意味で、染色の仕事内容は変化してくることも予想されます。
向いている人
着物修復業、クリーニング業、和装業などの技術者向けの資格ですので、これらの仕事に興味があり、現在関連の仕事に就いている方、美術・工芸系の大学や専門学校、または職業訓練校の染色コースで、染色の基礎的な技能を身につけた方におすすめの資格です。
取得方法
学科試験は真偽法25題、多肢択一法25題の計50問が出題されます。2級の実技は4時間かけて3課題、1級は5時間かけて3課題に取り組みます。受験者の話によると、3課題のどの課題から始めても良いですが、時間内で終わるように段取りを良く考えることがポイントになるため、試験対策としては、何度も練習を重ねて、身体に染み込ませてしまうことが必要とのことです。
染色技能士資格の難易度偏差値
1級 | 2級 |
---|---|
普通 |
簡単 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 ○級染色技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
染色技能士資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
国家資格 | キャリアアップ(良) | 名称独占資格 | 横綱クラス | 独学 講習 通学 |
染色技能士試験概要
受験資格 | 1級 ・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験 ※学歴により必要な実務経験年数が異なる 2級 ・実務経験2年以上 ※学歴により実務経験が不要になる |
試験内容 | 1級・2級 学科試験 ・染色加工一般 ・材料一般 ・繊維製品 ・試験および測定 ・色彩 ・安全衛生 ・選択科目 ・糸浸染加工法 ・織物・ニット浸染加工法 ・型紙なせん加工法 ・スクリーンなせん加工法 ・染色補正法 実技試験 ・選択科目 ・糸浸染作業 ・織物・ニット浸染作業 ・型紙なせん作業 ・スクリーンなせん作業 ・染色補正作業 |
合格率 | |
願書受付期間 | 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬 |
試験日程 | 実技試験: 6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬学科試験: 7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬 |
受験地 | 指定の試験場 |
受験料 | 学科試験: 3100円実技試験: 18200円※都道府県によって異なる場合がある |
合格発表日 | 10月上旬・3月中旬 | 受験申込・問合せ | 都道府県職業能力開発協会 ※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照 |
ホームページ | 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA) https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html |