印章彫刻技能士
簡易な本人確認方法として、日本ではサインよりも印鑑・ハンコが一般的です。日本人にとって、これら印章は自分が自分であることを証明する大切な道具となっています。印章彫刻技能士は、印鑑に名前などを刻む技能を認定する国家資格。素材ごとに、木口彫刻作業、ゴム印彫刻作業に区分されています。
資格詳細
銀行に口座を開くとき、契約書を取り交わすとき等、暮らしの中で印章は重要な役割を果たしており、ハンコや印鑑と呼ばれています。この印面に文字を彫る技術が印章彫刻です。職人が木、水晶、ゴムなどの印材に一から彫り上げた印鑑は美しく、風格のある仕上がりになります。印章彫刻技能士とは、技能検定制度による資格試験に合格した人で印章作製に必要な技能を持っています。二級と一級があり、二級は、印章、ゴム印の最低限の知識と最低限の彫刻技術、一級はより多くの知識に加えて、完全手彫りで一通りのものを作れる彫刻技術を持っていることが証明されます。特に、一級技能士は10年以上の技術研鑽を要する難関といわれています。試験は木口彫刻作業とゴム印彫刻作業の受験区分があり、受験資格として一級は7年の実務経験が必要です。また、二級も実務経験が2年必要ですが、所定の養成機関や課程の修了者は期間の短縮が認められています。なお、印章彫刻技能士の資格者でなくても印章店の営業ができるため、資格を持っていないお店が増えてきているのが現状のようです。顧客側からすると、印章店を選ぶ際には、お店の入り口に一級印章彫刻技能士の門標を掲げているところを選ぶと安心です。最近は、手仕上げや手書き文字と謳っている印鑑屋さんでも、半分以上は機械任せで作製しているようですので注意したいものです。印章業を営むには、顧客獲得のためにも、印鑑彫刻の技能を証明できる印章彫刻技能士の資格を取得しておくとよいでしょう。
活躍場所
印章業を営む会社で印鑑職人として活躍できます。または、街を歩けばハンコ屋さんが目に入りますが、個人で開業している方も多いようです。
収入と将来性
印鑑職人としての年収データはありませんが、印章業を営んでいる個人店では人を雇うような余裕はなく、家族で経営しているところが多いようです。ただし、代々受け継がれている印章店でリピーターを多数獲得しているお店ではある程度の収入を得ているのではないでしょうか。IT化が進んだ現在、伝統産業の印章も機械で彫刻され、大量生産されている現状です。また、店舗のフランチャイズ化やネット販売が中心となってきており、印章の需要が減少しています。しかし、機械を扱うのは人間であり、文字の見映えや同じ印章を作らないという意味では、機械ではまだ難しい一面があります。電子取引や電子申請が普及しつつありますが、なぜかハンコは生活の中からなくならず、日本では直筆のサインよりもハンコが依然と信用されているため、印章彫刻は今後も無くならない職種といえます。個人店では印鑑職人がさらに技能を磨いて顧客の要望に応える仕事を続けることが大切なことかもしれません。
向いている人
手に職を付けたい人、彫刻が好きな人、また手彫り印章は文字が要となるため習字が得意な人に向いているのではないでしょうか。資格取得には長い修行が必要ですので、根気があり、自分の技能を高めるための努力を怠らない人が求められるでしょう。
取得方法
印鑑職人を目指す人は、一般的に組合などの講習会に参加し技術を修得後、印鑑職人やハンコ屋さんの元で修行し、実務経験を積んだら技能士検定を受けて資格を取るという流れのようです。講習会のカリキュラムは、初等・中等・高等と受講生の習熟度に応じて分かれています。学科試験は選択方式で1時間40分内に印章や文字の歴史、法令、印材の特長などが出題されるようです。木口彫刻作業かゴム印彫刻作業から選ぶ実技試験では、実際の実務経験が問われるでしょう。
印章彫刻技能士資格の難易度偏差値
1級 | 2級 |
---|---|
普通 |
簡単 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 ○級印章彫刻技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
印章彫刻技能士資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
国家資格 | キャリアアップ(良) | 名称独占資格 | 横綱クラス | 独学 講習 通学 |
印章彫刻技能士試験概要
受験資格 | 1級 ・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験 ※学歴により必要な実務経験年数が異なる 2級 ・実務経験2年以上 ※学歴により実務経験が不要になる |
試験内容 | 1級・2級 学科試験 ・印章一般 ・印章彫刻法一般 ・印章文字 ・材料 ・安全衛生 ・選択科目 ・木口彫刻法 ・ゴム印彫刻法 実技試験 ・選択科目 ・木口彫刻作業 ・ゴム印彫刻作業 |
合格率 | |
願書受付期間 | 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬 |
試験日程 | 実技試験: 6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬学科試験: 7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬 |
受験地 | 指定の試験場 |
受験料 | 学科試験: 3100円実技試験: 18200円※都道府県によって異なる場合がある |
合格発表日 | 10月上旬・3月中旬 | 受験申込・問合せ | 都道府県職業能力開発協会 ※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照 |
ホームページ | 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA) https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html |