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公認不正検査士

公認不正検査士(CFE:Certified Fraud Examiner)とは、日本公認不正検査士協会(ACFE JAPAN)が認定する民間資格で、組織における不正の防止、発見、抑止の専門家です。財務取引や法律の知識、調査ノウハウを駆使して、会社などの組織内から、会計を始めとする各分野での不正を撲滅するために主導的な役割を果たします。企業のコンプライアンスが重要視されるようになった現在、ますます活躍が期待できる資格となっています。

資格詳細
公認不正検査士(CFE)は、アメリカに本拠地を置く公認不正検査士協会(ACFE)が創設した国際的な資格であり、不正対策のエキスパートであることを認定するものです。不正行為には、動機、機会、および不正行為の正当化といった3つの要因が存在します。組織は、内部統制を通じて、機会を最小限に抑えつつ、動機や正当化に関する具体的な手法や人間の心理を理解し、疑惑が発生した場合には速やかに調査を進める仕組みを整えなければなりません。本資格は、社内の不正防止において、世界中の経営者や監査人から注目されている資格です。公認不正検査士には、法的な知識だけでなく、不正の手法、不正の発見方法、犯罪学に関する洞察、関係者への聞き取り調査など、広範な知識とスキルが求められます。公認不正検査士協会によると、この資格を有する組織は、そうでない組織に比べて不正検知までの期間が50%短縮され、不正被害の総額が62%低減されるという調査結果があり、その有益性が確認されています。公認不正検査士になるためには、まず日本公認不正検査士協会の会員になり、CFEの資格を取得することが必須です。合格後、2年以上の実務経験を積むことで、公認不正検査士として認定されます。

活躍場所
公認不正検査士が活躍する場は、主に監査法人、コンサルティング会社、法律事務所、会計事務所などです。また、金融機関や保険会社などでは、社内で資格取得を推奨するケースが増えてきています。

収入と将来性
公認不正検査士の有資格者の年収は、求人情報を参考にすると、一般の平均的な収入を上回り、その幅も広がっており、高額な収入を得ている人も多いようです。この資格は、不正対策に限定されず、組織の内部統制など、多岐にわたる分野にも関わっています。日本でも粉飾決算や架空取引などの不祥事が度々起こり、SOX法により上場企業には内部統制の評価・報告制度が義務化されたことから、本資格への注目が高まっています。最近では、公認会計士や弁護士、税理士、司法書士などが、自身の業務で不正対策の知識を活用し、専門性や付加価値を示すために公認不正検査士の資格を取得している例も増えているようです。ただし、まだ日本では現状この資格を有する人は少なく、一方で企業側の需要が高まっているため、将来的にはより有望な資格となるでしょう。

向いている人
公認不正検査士は、企業内での不正対策に取り組んでいる方、監視・監督を担当する方、そしてITシステムの企画・設計、セキュリティ、監査を担当している方に適した資格です。弁護士や公認会計士などの士業の方にも、付加価値を示すために本資格を取得している方もいます。年齢層では、50代以上の参加者が最も多く、その割合は約半数に達していますが、CFEの需要が高まる中で、若い受講生も増えています。

取得方法
公認不正検査士の勉強では、「不正検査士マニュアル」が必須です。試験の大半がこのマニュアルから出題されるためです。基本的にこのマニュアルを理解できれば合格できると言われていますが、2,000ページ程あるため、効率的に学習を進めるには、通信講座などを活用すると良いでしょう。難易度は、公認会計士や弁護士のように関連分野を学習した経験がある人にとっては、テキストと問題集にしっかり取り組めば合格できる水準と考えられます。しかし、初学者の場合は、相当の学習が必要です。



公認不正検査士資格の難易度偏差値

偏差値51
普通
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 公認不正検査士認定
所轄・主催:
一般社団法人日本公認不正検査士協会
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

12月実施分は詳細不明。
願書受付
2020年3月3日~2020年4月6日
試験日
2020年6月13日~2020年6月14日
合格発表
試験日から1ヶ月程度
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

公認不正検査士資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
民間資格 就職や転職にやや有利 特になし 大関クラス 独学

公認不正検査士試験概要

受験資格 ・日本公認不正検査士協会の個人会員または法人会員所属員
・40点以上の資格点数を保有していること
(必要な資格点数は学歴等によって異なる)
試験内容 ・財務取引と不正スキーム
 ・会計
 ・財務分析の基本
 ・監査基準の概要
 ・各種不正スキームに関する知識
  など
・法律
 ・法制度の概要
 ・不正に関する法律
 ・調査における個人の権利
 ・訴訟手続き
 ・雇用・IT関連法
  など
・不正調査
 ・書類証拠の取り扱い
 ・面接調査
 ・情報源の活用
 ・不正取引の追跡調査
 ・調査報告書作成のポイント
  など
・不正の防止と抑止
 ・人間行動の理解
 ・犯罪原因論
 ・ホワイトカラー犯罪
 ・職業上の不正
 ・不正防止プログラム
 ・不正検査士の倫理
  など
合格率 非公開
願書受付期間 2月中旬~3月中旬・8月上旬~9月上旬
試験日程 6月・12月
受験地 東京・大阪
受験料 25000円
合格発表日 受験から約4週間後
受験申込・問合せ ACFE JAPAN CFE 試験係
〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-4 5階
TEL:03-5296-8338 FAX:03-5296-8337
ホームページ ACFE JAPAN 一般社団法人 日本公認不正検査士協会
https://www.acfe.jp/

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