介護保険事務管理士

介護保険事務管理士は、介護保険サービスを利用した際に生じる利用額の介護報酬請求の業務スキルを評価する民間資格で、日本病院管理教育協会が認定しています。介護サービスを提供する施設の収入源となる介護報酬給付請求が介護保険事務管理士の主な仕事です。介護報酬給付請求業務はケアプランの内容をしっかり把握し、介護報酬を正確に計算できる知識とスキルが必要になります。仕事内容としては、介護報酬の請求業務のほかに、介護施設の経営や施設利用者へのサービス向上などについて、施設者にアドバイスを行ったり、ケアマネージャーの業務をサポートしたりすることも含まれます。本資格の取得には、日本病院管理教育協会が指定した教育校に通学し、介護事務に関する専門知識を養い、認定試験に合格することが必要です。なお、介護事務の資格には介護保険事務管理士と名前が非常に似ている認定資格の「介護保険事務士」があります。こちらは別の財団法人が主催している資格であり、試験内容も資格取得方法も違いますのでくれぐれもご注意ください。

介護保険事務管理士が活躍できる職場は、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、デイサービスセンター、居宅介護支援施設、病院などです。介護報酬の給付請求などの事務作業だけではなく、介護施設利用者へのサービス向上などについてアドバイスすることもあります。

介護保険事務管理士の収入は低めの傾向があります。また、介護保険事務の仕事はケアマネージャーや介護福祉士、または施設の責任者が担当しているケースも多く、兼任すると介護保険事務作業の手当がプラスされるようです。介護業界は人手不足が続いており、介護の仕事と兼ねて介護保険などの事務作業もできる人が求められています。超高齢化社会に向かっている日本では、介護業界の人材への需要は高く、介護保険事務の仕事の求人も多数見られます。今後もニーズが高い仕事ですが、活躍の場を広げるためには、介護保険事務管理士の資格だけでなく、介護職員初任者研修など、他の介護系の資格も取得すると給料面で優遇される可能性があるでしょう。

日本病院管理教育協会指定校で指定の科目を履修した人が対象の試験ですので、まずは受験資格を満たしていることが大前提です。その上で、介護や福祉の仕事に熱意がある人が求められます。仕事上、介護職やケアマネなどとのかかわりが多いため、円滑なコミュニケーション能力も必要です。また、介護業界で働きたいけれど体力面で不安があるという方、多くの数字に触れるため数字に得意な方に向いているのではないでしょうか。

日本病院管理教育協会指定の学校で勉強したうえで受験する資格ですので、難易度としては高くないようです。試験は、学科試験がマークシート式で10問、実技試験が介護レセプト作成2問と点検1問で構成されています。介護保険事務管理士試験は実技がとくに重視されるようです。居宅と施設ではレセプト算定が異なるため、違いやポイントをしっかり押さえ、満点を目指しましょう。