資格の取り方 » 国家資格 » 技能士 » めっき技能士

めっき技能士

身の回りにも多く目にするメッキ製品。材料の表面に金属の薄膜を被覆するメッキ(鍍金)は、とても身近な技術です。めっき技能士は、メッキをほどこす作業に必要な技能を認定する国家試験で、電流をもちいた電気めっき作業と、溶かした亜鉛に鋼材をひたして作る溶融亜鉛めっき作業とに区分されています。

資格詳細
めっきは金属、プラスチックなどの表面に薄い金属の膜で覆う方法で、錆びや腐食を防ぎ、製品を美しく見せる目的で昔から広く使われてきた技術です。めっき作業に必要な技能を認定する国家資格のめっき技能士は、1級、2級、3級、そして特級に区分され、電流を用いた一般的な電気メッキ作業と、亜鉛を使う溶融亜鉛メッキ作業の2種類に分かれています。入社後に現場で実務経験を積んでいく中で、技能試験を受けて資格を取得するのが一般的です。優秀な技術者を確保したいという思いがあるため、技能士の取得を推奨している企業が多数あります。めっき技能士を技能教育の一環として活用し、資格取得支援制度を設けている企業も少なくありません。めっきの仕事は努力によりスキルアップができ、技能士試験に合格することでキャリアアップにつながります。

活躍場所
めっき処理の工場が仕事場になります。めっき工場には、素材加工からめっき加工を一貫して行うところもあれば、めっき加工だけを受注する下請めっき工場があります。下請めっき工場の数が圧倒的に多いことが特徴です。

収入と将来性
めっき工の収入は、スキルや技能士資格、または働く工場の規模によって大きく異なります。一般的には、高卒で資格をもっていない場合の年収は、一般の平均的な年収を下回りますが、大卒の場合はほぼ平均的な年収です。めっき技能検定1級の取得者には、高額な収入を得ている人もいます。審美性だけでなく、製品の性能や耐久性を高めるために施されるめっき加工は、数多くの製品に使われている技術ですので、今後も安定した需要が続くでしょう。近年、機械化や自動化が進んではいるものの、重要な部分は人の手によって作業されています。また、国が労働条件の改善や環境の整備などを進めているので、安定性や将来性はさらに確かなものになるでしょう。一方で、海外に製造拠点を移している企業もあり、国内工場での需要が少なくなっていることが問題視されることがあります。しかし、海外でのメッキは装飾などの汎用メッキが多いため、先端技術が必要な微細部品へのメッキなどの仕事は、需要の拡大が見込まれます。例えば、年々小型・薄型になっていく家電製品の加工をはじめ、燃料電池、宇宙ステーションの反射炉などです。これらの最先端の機器には高精度のメッキ技術が使われています。

向いている人
ものづくりが好きで手先が器用な人に向いている仕事です。また、メッキ工場の作業は高温多湿の環境の中での立ち作業が多いため、体力と忍耐力が求められます。メッキ加工の仕事は、さまざまな薬品や毒物劇物などを扱う危険を伴う仕事ですので、慎重さと集中力も必要です。

取得方法
実技試験では、製品の仕上がりに影響する細部まで気を配ることがポイントです。例えば、製品に手の脂などがつくとメッキにムラができるので、できるだけ接触面積を抑えるように心がけることがコツといえます。また、難関のひとつといわれている治具づくりは、本番で緊張しないよう、練習を重ねておくことが大切です。参考書としては、神奈川県メッキ工業組合発行の『めっき基礎読本』がおすすめです。また、めっき組合主催の講習会が開催されていることもありますので、調べてみましょう。学科試験の範囲は幅広いので、日々の仕事と平行させながら勉強し、検定が近づいてきたら復習をするという形がベストです。中央職業能力開発協会のHPで平成30年・31年度の1級・2級・3級、令和元年度の特級の試験問題を公開しています。いずれも正解表付きですので、試験勉強に活用するとよいでしょう。



めっき技能士資格の難易度偏差値

特級 1級 2級 3級
偏差値55 偏差値52 偏差値44 偏差値39
普通
普通
簡単
超簡単
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 ○級めっき技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

記載内容は3級学科試験の情報。
願書受付
2020年4月6日~2020年4月17日
試験日
2020年7月12日
合格発表
2020年8月28日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

めっき技能士資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
国家資格 キャリアアップ(良) 名称独占資格 横綱クラス 独学 講習 通学

めっき技能士試験概要

受験資格
特級

・1級合格後5年以上の実務経験

1級

・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上、3級合格後4年以上の実務経験
※学歴により必要な実務経験年数が異なる

2級

・実務経験2年以上、または3級合格者
※学歴により実務経験が不要になる

3級

・不問
試験内容
特級

学科試験

・工程管理
・作業管理
・品質管理
・原価管理
・安全衛生管理および環境の保全
・作業指導
・設備管理
・めっきに関する現場技術
実技試験

・工程管理
・作業管理
・品質管理
・原価管理
・安全衛生管理
・作業指導
・設備管理

1級・2級

学科試験

・めっき一般
・品質管理
・安全衛生
・選択科目
 ・電気めっき作業法
 ・溶解亜鉛めっき作業法
実技試験

・選択科目
 ・電気めっき作業
 ・溶解亜鉛めっき作業

3級

学科試験

・めっき一般
・安全衛生
・電気めっき作業法
合格率
願書受付期間 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬
試験日程
実技試験:
6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬
学科試験:
7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬
受験地 指定の試験場
受験料
学科試験:
3100円
実技試験:
18200円
※都道府県によって異なる場合がある
合格発表日 10月上旬・3月中旬
受験申込・問合せ 都道府県職業能力開発協会
※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照
ホームページ 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html

めっき技能士のレビュー

まだレビューがありません