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鍛造技能士

鍛造とは、日本刀の製造において有名な技術で、金属をハンマーなどでたたき、強度を高めつつ形をととのえることを言います。鍛造技能士の技能検定は、その鍛造の技術力を証明する国家資格。自由鍛造作業、ハンマ型鍛造作業、プレス型鍛造作業に分かれており、それぞれ1級と2級に分かれています。

資格詳細
鍛造(たんぞう)とは、刃物や武具、金物などを製造する際に、金属をハンマー等で叩き、圧力を加えることで、強度を高めると共に目的の形に成形する、伝統的な製造技法です。ことわざの「鉄は熱いうちに打て」が生まれる元となった仕事です。鍛造は強度の優れた製品を製造でき、また、人の手による鍛造では、構造の細部なども設計通りに製造できるため、サイズなどの仕様が細かく決められている製品の製造に向いています。鍛造の技術力を認定する鍛造技能士の資格試験は、ハンマー型鍛造作業とプレス型鍛造作業、自由鍛造作業(休止の場合あり)の3分野があり、1級と2級に分かれています。1級を受けるには7年以上の実務経験、2級を受けるには2年以上の実務経験が必要ですが、学歴により必要な経験年数が異なりますので、受検資格をまず確認しておきましょう。なお、自由鍛造作業については、休止している場合があり、また1級・2級以外の級については随時試験が行われることもありますので、各都道府県の職業能力開発協会に問い合わせて確認してください。基本的に、この資格は鍛造の仕事を経験した上で目指す資格ですので、実務でどれほどの技術力が身に付いているかがわかり、技術力を証明できます。鍛造メーカーなどに就職後、見習工として鍛造作業の指導を受けて、実際の作業に入りますが、鍛造の技術・技能の習得には数年かかるでしょう。実務経験を積んで、技能検定「鍛造技能士」の資格を取得すると、仕事の幅が広がり、昇進や給与面で有利となります。

活躍場所
自動車や鉄工等の鍛造メーカー、鍛造工場、鉄工所に就職して、鍛造工として活躍できます。鍛造専門会社の大半は中小企業で、元請け企業からの要望により鍛造製造の仕事をしています。工場を地方に移しているケースが多いようです。

収入と将来性
鍛造工の年収は、比較的高めです。技術を習得するには何年もかかるため、経験を積むほど給与が高くなります。鍛造技術は、身の回りのさまざまなモノに多く使われています。例えば、身近なところではゴルフクラブ、ペンチや金槌、食器や自動車の部品などです。強度が強い製品であるため、電車や飛行機の部品の製造にも鍛造の技術が役立っています。このように、鍛造の技術は幅広く使用されており、さまざまな分野で需要が多いため、鍛造の仕事は将来的にも安定しているといえるでしょう。

向いている人
基本的にモノ作りが好きな人、鍛造技術に興味があり、細かい作業が好きな人、集中力を維持できる人に適性があります。また、品物を持ち上げたり、移動したりする作業も多いため基礎体力が必要です。質の高い鍛造製品を造るには、材料を動かしながらハンマーの音や感覚を頼りに叩くので、器用さが求められます。そのため、一つの仕事に納得いくまで根気強く取り組める人には、向いている仕事といえるでしょう。

取得方法
学科試験と実技試験がありますが、学科では、鍛造の基礎、材料、製図についての知識、材料の検査方法や加熱・加工方法、製品の品質チェックなどが問われます。安全管理や関連の法律、作業上の注意点なども押さえておきましょう。実技試験では時間内に実際に製品を造りますが、日頃の実務のスキルが発揮できる場ですので、落ち着いて臨みましょう。過去の実技試験問題は、中央職業能力開発協会の公式サイトで公開しています。鍛造技能士試験の随時2級と随時3級のハンマ型鍛造作業とプレス型鍛造作業の実技試験の問題が掲載されていますので、確認しておきましょう。



鍛造技能士資格の難易度偏差値

1級 2級
偏差値52 偏差値44
普通
簡単
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 ○級鍛造技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

記載内容は2級学科試験の情報。
願書受付
2020年10月5日~2020年10月16日
試験日
2020年1月24日
合格発表
2021年3月12日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

鍛造技能士資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
国家資格 キャリアアップ(良) 名称独占資格 横綱クラス 独学 講習 通学

鍛造技能士試験概要

受験資格
1級

・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験
※学歴により必要な実務経験年数が異なる

2級

・実務経験2年以上
※学歴により実務経験が不要になる
試験内容
1級・2級

学科試験

・鍛造一般
・材料
・機械工作法
・製図
・電気
・関係法規
・安全衛生
・選択科目
 ・自由鍛造法
 ・ハンマ型鍛造法
 ・プレス型鍛造法
実技試験

・選択科目
 ・自由鍛造作業
 ・ハンマ型鍛造作業
 ・プレス型鍛造作業

3級

学科試験

・鍛造一般
・材料
・製図
・関係法規
・安全衛生
・選択科目
 ・ハンマ型鍛造法
 ・プレス型鍛造法
実技試験

・選択科目
 ・ハンマ型鍛造作業
 ・プレス型鍛造作業

基礎1級

学科試験

・鍛造加工の種類および特徴
・鍛造作業の方法(選択科目)
 ・ハンマ型鍛造法
 ・プレス型鍛造法
・金属材料の種類および用途
・安全衛生に関する基礎的な知識
実技試験

・型打ちおよび加熱作業(選択科目)
 ・ハンマ型鍛造作業法
 ・プレス型鍛造作業法

基礎2級

学科試験

・鍛造加工の特徴
・主な鍛造作業の方法(選択科目)
 ・ハンマ型鍛造法
 ・プレス型鍛造法
・金属材料の種類および用途
・安全衛生に関する基礎的な知識
実技試験

・型打ち作業(選択科目)
 ・ハンマ型鍛造作業法
 ・プレス型鍛造作業法
合格率
願書受付期間 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬
試験日程
実技試験:
6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬
学科試験:
7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬
受験地 指定の試験場
受験料
学科試験:
3100円
実技試験:
18200円
※都道府県によって異なる場合がある
合格発表日 10月上旬・3月中旬
受験申込・問合せ 都道府県職業能力開発協会
※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照
ホームページ 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html

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