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鉄工技能士

鉄工技能士は、金属を加工する技術を有することを証明する国家資格です。鉄工と一口に言ってもその内容は多岐にわたり、試験のほうも、缶作業、構造物鉄工作業、曲げ成形・矯正作業、構造物現図作業の4つに大きく区分されています。試験は都道府県職業能力開発協会が実施し、学科試験と実技試験で構成されます。

資格詳細
鉄工とは、鋼材を切断し、研磨、溶接、プレスなどの加工を施し、部品や機器などの完成品を作る仕事で、日本の近代化に大いに貢献してきました。鉄工所といわれている工場の多くは、メーカーの下請けであり、最終的な製品の部品を作る作業が多いことが特徴です。このような鉄工所で最初に鉄材を加工してくれることで、自動車や航空機などの製造が成り立っているといえます。鉄工の仕事はきついとよく言われますが、完成品を作り上げたときに感じる達成感がやりがいにつながるようです。鉄工技能士は、このような鋼材の加工、取り付け、組み立てなどに必要な技能を認証する国家資格です。1級と2級があり、作業により、製缶、構造物鉄工、曲げ成形・矯正、構造物現図の4つの区分に分かれます。製缶作業とは、缶だけをつくる作業ではなく、タンクや橋梁など、棒状の鋼材を加工して立体的に組み上げる作業です。また、構造物現図作業は、鉄骨構造物の組立図を基に、現図を鋼板上に描き、部品の型板などを作成する作業になります。

活躍場所
鋼材を加工して、部品や製品を作る職種ですので、鉄工所や鉄工会社、建設会社など、幅広い職場で活躍することができます。具体的には、自動車、農業機械、工作機械、建設機械の部品などの製造に携わりますが、高層ビルなどの建築物や構造物を支える鉄骨を製作する仕事も含まれます。

収入と将来性
鉄工所や鉄工会社の規模によりかなり差がありますが、一般の平均年収とあまり変わりないのではないでしょうか。下請けとなると低めですが、大手であれば高収入を期待できます。給与は技術を身につけるほど上がっていくでしょう。メーカーの生産工場で、作業内容が同じものについてはロボット化が進んでいますが、いくつもの納品先を抱えている鉄工所の工場などでは、まだ人の手が必要な作業がたくさんあります。現状ではコロナショックの影響で新規の募集が以前より少ないかもしれませんが、景気が回復してくると、まず製造の下請け工場が忙しくなることが予想されます。メーカーからの大量注文が入るようになると、鉄工業界は一気にうるおうでしょう。景気に左右されやすい業界ですが、モノづくりの需要が今後無くなることはまずないので、長い目で見ても安定している職種です。

向いている人
鉄工所の製造職の仕事は、モノづくりが好きで、手先が器用な人、また作業中に一瞬の気の緩みがあると事故につながりますので、つねに安全を心がけ集中して作業できる人に向いています。作業場は、夏は暑く、冬は寒いなど、決して楽な環境ではなく、重い資材を運ぶこともあるため、ある程度体力は必要です。

取得方法
地域によりますが、産業振興公社や商工会議所、溶接協会などで、鉄工技能士受検対策講座を開催しているところもあるようですので、調べてみるとよいでしょう。過去の試験問題については、過去の鉄工(製缶作業)と鉄工(構造物鉄工作業)の問題を中央職業能力開発協会のサイトで閲覧できます。学科試験は正解表が付いていますので、繰り返し学習して覚えることが一番です。また、「鉄工_構造物鉄工」の実技試験の様子を録画した動画がYouTubeで見られますので、参考に見ておくとよいでしょう。



鉄工技能士資格の難易度偏差値

1級 2級
偏差値55 偏差値52
普通
普通
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 ○級鉄工技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

記載内容は2級学科試験の情報。
願書受付
2020年4月6日~2020年4月17日
試験日
2020年8月30日
合格発表
2020年10月2日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

鉄工技能士資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
国家資格 キャリアアップ(良) 名称独占資格 横綱クラス 独学 講習 通学

鉄工技能士試験概要

受験資格
1級

・7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上の実務経験
※学歴により必要な実務経験年数が異なる

2級

・実務経験2年以上
※学歴により実務経験が不要になる
試験内容
1級・2級

学科試験

・鉄工作業法一般
・材料
・材料力学
・機械工作法
・製図
・試験および検査
・安全衛生
・選択科目
 ・製缶作業法
 ・構造物鉄工作業法
 ・構造物現図製作法
実技試験

・選択科目
 ・製缶作業
 ・構造物鉄工作業
 ・構造物現図作業
合格率
願書受付期間 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬
試験日程
実技試験:
6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬
学科試験:
7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬
受験地 指定の試験場
受験料
学科試験:
3100円
実技試験:
18200円
※都道府県によって異なる場合がある
合格発表日 10月上旬・3月中旬
受験申込・問合せ 都道府県職業能力開発協会
※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照
ホームページ 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html

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