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溶射技能士

溶射とは、英語でサーマル・スプレイングという表面処理技法のひとつで、加熱により溶融した金属などの粒子を物体の表面に吹きつけて皮膜を形成する技術です。溶射技能士は、その溶射技術の習熟度を証明する国家資格です。目的ごとに、防食溶射作業と肉盛溶射作業とに分かれています。

資格詳細
溶射とは、表面改質とも呼ばれる表面処理技術の一つで、金属、セラミックス、プラスチックなどの物質を溶かしながら対象の基材に吹き付けて皮膜をつくる技術です。厚い膜が比較的簡単に作ることができ、他の表面処理法よりも成膜が速いことがメリットといえます。製品性能には欠かせない表面改質技術で、基材の保護をはじめ、耐摩耗性や耐熱性の向上、さらに絶縁などのさまざまな目的で、鉄鋼、半導体・液晶、産業機械、高速道路や橋梁などの構造物、自動車のエンジン部材など、幅広い分野に適用されています。溶射作業は、防食溶射と肉盛溶射に区分されており、防食溶射作業は、金属の錆びを防ぐために耐防錆溶射として亜鉛・アルミニウム合金溶射を行います。肉盛溶射作業は、機械部品などの摩耗部分や寸法が不足している部分の機能を修復する際に適しています。このような溶射技術を認証する国家資格が溶射技能士です。溶射技能士は、単一級となります。受験するには、原則、3年以上の実務経験が必要ですが、学歴により必要な経験年数が異なります。

活躍場所
溶射会社に就職し、製鉄所や各種機械部品の工場などで溶射工として活躍できます。溶射と一言でいっても、さまざまな分野で必要とされる技術ですので、会社によって強みが異なります。そのため、どのような用途で表面処理を行う会社であるかを吟味する必要があるでしょう。

収入と将来性
未経験で溶射会社に入社した場合は、一般の平均年収よりも低めですが、溶接作業経験がある人は優遇されるようです。また、会社が資格取得を支援してくれる場合が多いので、資格手当も期待できます。溶接工の求人数は非常に多く、未経験者も転職者も活躍できる職種です。見習い中の給与は低くても、長い目で見ると、経験とともに昇給も期待できるので、安定した収入を得られるでしょう。溶射はありとあらゆる機械部品に対して行われている、各産業分野で欠かせない表面加工です。近年は表面処理の目的も非常に多様化しており、従来は溶射が行われなかったような分野にも応用されてきています。幅広い分野に利用されている溶射の可能性は今後も無限大に広がっていくと考えられており、溶射の仕事は将来的にも高いニーズが期待できる職種です。

向いている人
溶射工は、手に職をつけたい人、機械いじりが好きでモノづくりに興味がある人に向いている仕事です。工場内だけでなく、橋梁工事など、現場に出向くこともありますので、フットワークが良く、チームとして協力し合いながら作業ができることも求められるでしょう。会社はどこも資格取得を推奨しており、通常、溶射技能士、溶射管理士などの有資格者がいますので、資格取得を目指して、向上心をもって業務に取り組むことが必要です。

取得方法
実技試験は、2つの選択科目からどちらかを選べます。一つは防食溶射作業で、ブラストによる粗面化の選定、清浄化の選定と、試験板にブラスト処理を施し、アルミニウム溶射を行います。もう一つは肉盛溶射作業で、ブラスト面への肉盛溶射を施し、密着力試験片を作り、その皮膜の厚さを測定します。学科試験は、他の技能士の試験でもいえることですが、毎年同じような問題が繰返し出題されているようです。そのため、数年間分の過去問をやることで合格に近づけるでしょう。過去の試験問題(防食溶射作業)と平成31年度の試験問題(肉盛溶射作業)が、中央職業開発協会のHPで閲覧できます。各都道府県の開発協会によっては、コピーサービスを有料で行っているところもあるようですので、問い合わせてみてはいかがでしょうか。



溶射技能士資格の難易度偏差値

偏差値52
普通
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 ○級溶射技能検定試験 合格
所轄・主催:
厚生労働省
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

願書受付
2020年4月6日~2020年4月17日
試験日
2020年9月6日
合格発表
2020年10月2日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

溶射技能士資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
国家資格 キャリアアップ(良) 名称独占資格 横綱クラス 独学 講習 通学

溶射技能士試験概要

受験資格 3年以上の実務経験
※学歴により必要な実務経験年数が異なる
試験内容
学科試験

・溶射一般
・電気
・安全衛生
・選択科目
 ・防食溶射法
 ・肉盛溶射法
実技試験

・選択科目
 ・防食溶射作業
 ・肉盛溶射作業
合格率
願書受付期間 4月上旬~中旬・10月上旬~中旬
試験日程
実技試験:
6月上旬~9月中旬・12月上旬~2月中旬
学科試験:
7月中旬~9月上旬・1月下旬~2月上旬
受験地 指定の試験場
受験料
学科試験:
3100円
実技試験:
18200円
※都道府県によって異なる場合がある
合格発表日 10月上旬・3月中旬
受験申込・問合せ 都道府県職業能力開発協会
※都道府県よって問い合わせの電話番号は異なりますのでホームページを参照
ホームページ 技能検定のご案内 : 中央職業能力開発協会(JAVADA)
https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html

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