医療経営士
日本の医療界は、長らくビジネスとは距離を置き、良くも悪くも「経営」という観点が不足してきました。しかし病院がつぶれてしまっては患者のためにもならないため、現在では医療機関にも企業なみの経営能力が求められるようになりました。医療経営士は、まさに病院経営の知識や実践的な技能を持つ人材を育成するために始まった資格で、これからの医療現場において重要な役割をになうと期待されています。
資格詳細
医療経営士は、医療に関する知識と経営スキルを合わせ持った、主に医療機関で活躍する医療機関経営のスペシャリストです。一般社団法人 日本医療経営実践協会が認定する資格で、病院の重要性が増す近年注目を集めています。知識の豊富さや実践力に応じて1級~3級まで等級が区別されており、最高級まで習得すると、医療経営の要として理事長や病院長らとともに医療機関運営における重要な意思決定を行える熟練度になります。質の高い医療技術の提供を続けながら、組織経営しなければならないという困難な環境において、大いに活躍が期待されている資格です。
活躍場所
医療経営士の活躍の場所は、医療機関が中心です。経営スキルはどの病院においても必要である技能であるため、活躍の幅は広くどんな医療機関でも力を発揮できます。医療現場で経営に携わったことのある者は少ないため、さまざまな現場で必要とされ、医師や看護師、事務スタッフの育成も活動の範囲になることがあります。また、独立開業を予定している医師は、今後自らの病院経営をしていく上で必須の知識となるため、取得する価値は高いでしょう。
収入と将来性
医療現場において経営知識を持った人材は長年不足しており、現在もその状態は改善されていません。加えて、高齢化が進む日本では病院経営の重要性が特に高まっており、医療経営士の需要はますます増えています。病院では、質の高い医療を提供し続けながら利益追及を行わなければならないので、専門的な技能が必要となります。そのような厳しい医療経営のスペシャリストである医療経営士は、これからも求められ続ける可能性が高いと言えます。
向いている人
医療経営士は、医療と経営の分野の知識を合わせ持つ専門家です。そのため、専門的な情報を読み解き、現場に対応する必要があります。これを行うには、正確に作業をこなすことが得意であったり、その場に合わせて臨機応変に動ける素質が肝心です。大雑把に作業をする人や、マニュアル通りにしか動けないという人は向いていません。また、病院経営に携わるということはすなわち、多くの命を救うことでもあります。経営がうまくいかなければ、救えない命も出てきてしまうような緊張感のある環境です。なので、課された問題を最後までこなしていける粘り強さや、責任感を持っていることも重要な要素であると言えます。
取得方法
医療経営士の資格認定試験は、2級と3級は筆記試験のみ、そして1級では筆記試験に加えて面接試験があります。なのでまずは、筆記試験をクリアできる知識を身につけることが重要です。資格が比較的新しいこともあって、講座やテキストの数が多くありませんが、日本医療企画から専門のテキストを出版しているので、これらを利用して知識の習得を目指しましょう。テキストだけでは不安な方は、講座やセミナーも随時開催されているので利用してください。1級試験は難易度がとても高く合格者も多くありませんが、3級試験は毎年合格率が5割程度なので、しっかり対策をしていれば合格できる試験です。3級試験は年3回行われており大変受けやすくなっています。
医療経営士資格の難易度偏差値
1級 | 2級 | 3級 |
---|---|---|
普通 |
普通 |
簡単 |
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。
履歴書に記載する場合の資格の正式名称
平成○年○月○日 医療経営士○級資格認定試験 合格
平成○年○月○日 医療経営士○級 登録
平成○年○月○日 医療経営士○級 登録
所轄・主催:
一般社団法人日本医療経営実践協会
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。
2024年資格日程
記載内容は3級の情報。10月、3月実施分は詳細不明。
願書受付
2020年4月3日~2020年4月27日
試験日
2020年6月14日
合格発表
2020年7月14日
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。
医療経営士資格ガイド
資格種類 | 資格価値 | 資格タイプ | おすすめ度 | 取得方法 |
---|---|---|---|---|
民間資格 | 特になし | 特になし | 前頭クラス | 通学 |
医療経営士試験概要
受験資格 | 1級 ・2級に合格した日本医療経営実践協会の正会員 ・資格認定には3年以上の医療機関勤務経験が必要 2級 ・3級に合格した日本医療経営実践協会の正会員 3級 ・不問 |
試験内容 | 1級 医療経営に関する専門知識と実践的思考・手法を有し、理事長・病院長とともに経営幹部として意思決定をサポート、実践できる。 1次試験: 短文記述形式と論述形式・病院経営戦略論 ・バランストスコアカード ・クリニカルパス/地域医療連携 ・医工連携 ・医療ガバナンス ・医療品質経営 ・医療情報セキュリティマネジメントシステム ・医療事故とクライシスマネジメント ・DPCによる戦略的病院経営 ・経営形態 ・医療コミュニケーション ・保険外診療/附帯業務 ・介護経営 2次試験: 面接試験・口頭試問(プレゼンテーション) ・個人面接 2級 医療経営に関する知識や経営課題を解決するための分析力を有し、実践できる。また、中堅管理職が身につけるべき医療経営に関する知識・問題解決能力を有し、実践できる。 第1分野: 多肢選択式(マークシート)・医療経営概論 ・経営理念・ビジョン/経営戦略 ・医療マーケティングと地域医療 ・医療ITシステム ・組織管理/組織改革 ・人的資源管理 ・事務管理/物品管理 ・財務会計 ・資金調達 ・医療法務 第2分野: 多肢選択式(マークシート)・診療報酬制度 ・広報・広告/ブランディング ・部門別管理 ・医療・介護の連携 ・経営手法の進化と多様化 ・創造するリーダーシップとチーム医療 ・業務改革 ・チーム力と現場力 ・医療サービスの多様化と実践 3級 医療従事者、医療関連サービス・企業に勤務する者、および学生など。 筆記試験: 多肢選択式(マークシート)・医療人としての基礎知識 ・医療史 ・医療法規・医療行政の基礎知識 ・医療サービス概論 ・医療人としての倫理 |
合格率 | 31.9%(3級) |
願書受付期間 | 1級: 7月上旬~8月上旬2級・3級: 4月上旬~5月上旬 |
試験日程 | 1級 1次試験: 9月上旬2次試験: 12月上旬2級・3級: 6月中旬 |
受験地 | 1級: 東京2級: 札幌・仙台・東京・金沢・名古屋・大阪・福岡3級: 札幌・仙台・東京・金沢・名古屋・大阪・福岡・鹿児島 |
受験料 | 1級: 50000円2級: 16000円3級: 9100円※1級は別に手数料がかかる |
合格発表日 | 1級: 12月下旬2級・3級: 7月中旬 |
受験申込・問合せ | 一般社団法人 日本医療経営実践協会 〒101-0033 東京都千代田区神田岩本町4-14 神田平成ビル7F TEL:03-5296-1933 FAX:03-5296-1934 (受付時間10:00~12:00・14:00~18:00) |
ホームページ | 一般社団法人 日本医療経営実践協会 | 医療経営士 認定試験 http://www.jmmpa.jp/ |