ドットコムマスター

現代は、スマホやパソコンを介してインターネットやクラウドを利用し、誰もが快適な生活を送ることができます。しかし、一方で個人情報の漏洩やSNSアカウントの乗っ取りなどの犯罪が後を絶たないことも事実です。このようなリスクを回避するためには、個々がITのルールや危険性を理解し、常に警戒しておく必要があります。ドットコムマスターは、NTTコミュニケーションズが主催するICT知識の習得を目的とする民間資格です。検定の学習を通して、ICT知識を基礎から横断的に学ぶことができます。また、情報伝達時におけるビジネスマナーやモラル、コミュニケーションスキルなども身に付けることができます。資格は、ITに関する基礎的な知識を学ぶ「ベーシック」と、実務で役立つ実践的な知識を学ぶ「アドバンス」に分かれており、ご自身のレベルや目的に合わせて選ぶことが可能です。「アドバンス」は、得点に応じて「シングルスター」または「ダブルスター」という認定がされます。

ICTの知識は、IT関連企業をはじめとして、通販企業やコールセンターなど、業種や職種を問わずさまざまな業務に役立ちます。求人サイトを見ても、ドットコムマスターの資格取得者を歓迎する募集が数多く見られます。

業種や職種によりますが、エンジニアとしてのスキルを高めることで高収入を得ることができるでしょう。エンジニアの需要は高い一方で、人手不足が深刻な状況ですので、副業としても収益を上げることが可能です。ドットコムマスターは、社会の情報リテラシー向上やICTの利用促進を目指し、2001年から実施されており、受験者数は2017年に45万人を突破しました。ICTスキルについて幅広く学べる内容で汎用性が高いことも人気の理由と言えるでしょう。NTT傘下にある企業が実施している試験で信頼度も十分あり、インターネット協会などからの推奨も受けています。インターネットの拡大と進化とともに、今後もさらなる需要が高まるでしょう。

ICTスキルやインターネットのマナーが身につく「ベーシック」は、パソコン初心者や新社会人におすすめです。実践的な知識が学べる「アドバンス」は、企業においてICT活用をサポートするエンジニアに最適な資格と言えます。また、IT系企業への就職を希望している学生や、すでにIT関連の業務に従事していてスキルアップしたい方は、ドットコムマスターのアドバンスを受けてみると良いでしょう。

試験対策用の教材はいろいろ出版されていますが、おすすめの教材は、ドットコムマスター公式が副教材として指定している公式テキストです。模擬試験も付いているため、試験直前の仕上げ作業にもおすすめします。アドバンスも同様に公式テキストがおすすめです。シングルスター・ダブルスターどちらの合格にも必要な知識が網羅されています。近年の試験では、以前に比べて過去問や問題集と類似した問題が出る割合は減少傾向にありますが、依然として問題演習は有効です。ただし過去問は存在しないため、公式問題集で出題形式にまず慣れることが重要です。また、実際の試験内容を確認したい方は、公式に掲載されている問題のサンプルを見てください。公式サイトから「一問一答問題」として、無料のPDFファイルもダウンロードできます。