カイロプラクター

1895年にアメリカで開発された手技療法「カイロプラクティック」。その技術者であるカイロプラクターは、筋肉や骨格の障害を対象にした脊椎ヘルスケアの専門家です。元祖のアメリカを始め、欧米各国では、法的な資格を設けてその地位が確立されていますが、日本ではあくまでも民間療法のひとつとして、特に公的な資格は用意されていません。同じ手技療法の「柔道整復師」が国家資格になっているのとは対照的です。結果、カイロプラクターは多数の民間資格が混在している状態です。

カイロプラクターの有資格者は、カイロプラクティック施術院に勤務するほか、接骨院や鍼灸院にて他の民間療法とともに活躍しています。日本のカイロプラクターには国家資格のような公的な資格制度がないため、無資格でもカイロプラクティックをほどこすことが可能であり、なかには独自の理論や技術で施術する自称カイロプラクターや、まったく効果がなかったり、危険な施術をおこなったりする悪質な者もいる有様です。きちんと技術を修得したカイロプラクターであることを証明するために、資格を取得しておくことは非常に重要となっています。

人びとの健康志向が一般化するとともに、病院などが提供する通常の医療だけでなく、代替医療や予備医療などにも高い関心が集まるようになりました。その流れにおいてカイロプラクターの需要も高まっています。カイロプラクティックの施術院や接骨院に勤務して経験を積んでのち、独立するのが一般的であり、独立開業後には高い収入も期待できます。整体やリフレクソロジーなど、複数の技術を習得していると、より多くのお客さんによろこばれるでしょう。特に国家資格である「柔道整復師」は、信用の面でもカイロプラクターにおすすめの資格です。

カイロプラクティックは「手技療法」に分類される民間療法で、文字どおり、主に手を使った施術をおこないます。手先の器用さはもちろん、体力も必要になります。また、手で直接、人の肌に触れる仕事ですので、相手との信頼関係が非常に大切です。たしかな技術力も重要ですが、聞き上手かつ話し上手で、親身になって人に接することができるコミュニケーション能力があれば、より顧客を増やすことができるでしょう。

カイロプラクターには複数の民間資格がありますが、カイロプラクターの養成学校に通学して卒業することで取得する、または卒業後、民間団体や民間協会が実施する資格認定試験に合格することで取得するパターンが一般的です。悪質な資格商法がおこなわれている場合もありますので、きちんとした養成校を選ぶことがなにより重要になります。楽に取ろうと考えずに、カリキュラムや実技内容が充実している学校を選ぶようにしましょう。