HSK

HSKは、中国国家HSK委員会が実施する中国語の能力検定試験です。世界各地で試験がおこなわれており、優秀な成績をおさめた者には中国への奨学金留学ができるといった特徴があります。2010年に試験の内容が変わりましたが、6級は「高等」、5~4級は「中・初等」、3級は「基礎」に相当します。2級および1級が新設されたことで、より初歩のレベルでの試験に対応しました。

資格詳細
HSKとは、中国政府教育部の直属機関が主催する、認知度の高い中国語能力検定試験であり、世界各国で実施されています。世界中で通用する中国語資格のため、中国国内だけではなく、世界中で公的証明として活用できる資格です。近年、中国に進出している企業が多く、さまざまな業種で中国語のスキルが必要とされており、HSKの資格取得を推奨している企業も増えています。試験は、リスニング、リーディング、ライティングの3パートで構成されており、1級~6級の級位でレベルを測れます。初級レベルに相当する1級と2級は、マークシート方式によるリスニングとリーディングのみのテストですが、3級以上からは記述式の作文も出題されます。試験は全て中国語で出題されることからも、初級レベルからコミュニケーション能力を重視している検定といえるでしょう。

活躍場所
HSKは多くの企業で推奨している資格のため、活躍できる場はさまざまな業界に存在します。中国企業との取引がある商社やIT企業、ホテル、航空業界、医療関連企業、不動産業界などが挙げられます。

収入と将来性
HSK5級・6級を取得していると、資格手当を支給する企業もあります。また、昇格時にHSKの資格保有を要件としている企業もあり、企業では5級以上が評価の対象となり、収入アップにつながると考えてよいでしょう。HSKは、キャリア形成に役立つ資格であり、中国留学には必須の資格です。また、現在の自分の中国語レベルを可視化できる代表的な検定試験ですので、今後も受験者は増えていくでしょう。近年は、とくに中国語スキルのニーズが高まっている傾向があり、中国企業への就職に役立つことはもちろん、国内企業の就職活動でも有利になります。ちなみに、中国に進出している日系企業は2020年1月時点で13,000社を超えています。今後も中国語ができる人材への需要が高い状況が続くでしょう。

向いている人
中国留学を考えている、あるいは中国語を活かせる企業への就職を希望している人におすすめの資格です。特に中国留学では必須の資格です。

取得方法
公式サイトには無料のレベルチェックテストが掲載されていますので、まず自分の学習レベルを知るためにも受けてみましょう。教材については公式サイトにも詳しく説明されていますが、おすすめのテキストとして「HSK 公認テキスト」と「HSK 公式過去問集」が紹介されています。公認テキストは、1冊で学べるように文法や単語が網羅されており、音声のダウンロードもでき、リスニング対策も可能です。公式過去問集は、過去5回分の問題と解答を収録したもので、聞き取り問題の音声ダウンロードができるほか、作文問題には解答例もあるので分かりやすいでしょう。初めて受験する人は、最低でも1回は過去問を解き、問題形式に慣れておきましょう。ちなみに、HSKは、問題の説明文を含め全て中国語で表記されており、日本語が一切使われていないため、実際の問題にできるだけ慣れておくことが大切です。



HSK資格の難易度偏差値

6級 5級 4級
偏差値60 偏差値55 偏差値46
普通
普通
簡単
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 漢語水平考試(HSK)○級 合格
所轄・主催:
中華人民共和国教育部
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

2020年資格日程

願書受付
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
試験日
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
合格発表
常時行われています。(年に4回以上試験がある)
※資格の級やレベルによって試験日程が変わる場合は、その資格の代表的な日程を掲載しています。
※試験開催地によって試験日等が異なる場合があります。
※資格の日程は弊社独自の調査結果になります。正式な情報は必ず主催団体にご確認ください。

HSK資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
民間資格 就職や転職にやや有利 特になし 大関クラス 独学 公式テキスト

HSK試験概要

受験資格 中国語が母国語でないこと
試験内容 筆記試験
6級:
(150分)聞き取り・読解・作文
中国語の情報をスムーズに読んだり聞いたりすることができ、会話や文章により、自分の見解を流暢に表現することができるレベル。
5級:
(135分)聞き取り・読解・作文
中国語の新聞・雑誌を読んだり、中国語のテレビや映画を鑑賞することができ、中国語を用いて比較的整ったスピーチを行うことができるレベル。
4級:
(115分)聞き取り・読解・作文
中国語を用いて広範囲の話題について会話ができ、中国語を母国語とする相手と比較的流暢にコミュニケーションをとることができるレベル。
3級:
(100分)聞き取り・読解・作文(語句の並び替えと空所補充)
生活・学習・仕事などの場面で基本的なコミュニケーションをとることができ、中国旅行の際にも大部分のことに対応できるレベル。
2級:
(65分)聞き取り・読解
中国語を用いた簡単な日常会話を行うことができ、初級中国語優秀レベルに到達している。大学の第二外国語における第一年度履修程度。
1級:
(50分)聞き取り・読解
中国語の非常に簡単な単語とフレーズを理解、使用することができる。大学の第二外国語における第一年度前期履修程度。

口頭試験
高級:
(44分)中国語全般にわたる高度な運用能力を有し、流暢に自分の意見を表現することができるレベル。
中級:
(41分)中国語を母国語とする人たちと流暢に会話をすることができるレベル。
初級:
(37分)中国語の基本的な日常会話を行うことができるレベル。
合格率 非公開
願書受付期間 毎月
試験日程 毎月(年12回)
受験地 全国主要都市
※試験日ごとに会場の数が大きく異なる
受験料 筆記試験
6級:
9790円
5級:
8580円
4級:
7370円
3級:
6160円
2級:
4950円
1級:
3740円

口頭試験
高級:
7810円
中級:
6710円
初級:
5610円
合格発表日 試験日から3週間後程度
受験申込・問合せ 一般社団法人日本青少年育成協会
HSK日本実施委員会(受験受付窓口)
TEL 03-3268-6601
ホームページ 中国語検定:中検ならHSK【中国政府公認資格】
http://www.hskj.jp/

HSKのレビュー

(2件)
ゴリ
中国語関係の仕事に生きるHSK

2022年08月23日
学んで身に着けた中国語を活かして中国語関係の仕事を探す際、大抵の場合、HSK何級を取得したか雇い主から尋ねられます。
特に通訳や翻訳関係の仕事は、高い中国語水準が求められますが、雇う側からすると通訳者(翻訳者)の言語力を知るのは案外難しいものです。
そのような時に、HSK何級という資格を提示すると、すぐに採用できるか否かの重要な判断材料になるので助かると、実際面接の時に言われたことがあります。
しかも、8級(現在では5級に相当)を取得していると、高い評価と信頼をいただけるので大変良い資格だと感じます。
取得のために、発音、文法、ヒアリング等、様々な分野の中国語を学習しますが、それらすべてが実際の仕事の場で活かされるので、試験のための学習というよりは、実践向きの学習ができるのがHSKのよいところだと感じます。
取得を目指す方に役立つ情報としては、留学が難しいのであれば、日本にいながら中国語漬けになれる環境を作り出すことです。
HSKを受けるために、中国人の友人を作ることができると、中国人のものの見方、文化(メンツについての考え)、生活習慣などを肌で感じていくことができ、将来中国語を用いた仕事をする時に大変役立ちます。
HSKを取得して悪かったことは特にありませんが、敢えて挙げるなら試験のために相当の時間とエネルギーを費やすので、生活のバランスを欠くことになってしまいがちになることです。
でもこの点は、予定を組んで時間配分を上手に行なえば問題にならないと感じています。
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ねこたろう
短期留学後の腕試し!

2020年07月04日
大学で第2外国語として2年間学習&北京への1ヶ月短期留学を終えて、受験しました。
HSKの問題集は大きい本屋でないとなかなか見つかりませんが、テキストと単語集を買いました。北京の留学先である北京語言大学の本屋さんで問題集も買っていましたが、時間の関係もあってなかなか手をつけられませんでした。
ありがたいことに同じ漢字の国なので(笑)、読解は土壇場でも何とかなるかもしれませんが、聞き取りの練習は何度もやらないと厳しいなと思いました。実際の試験でも聞き取れない単語が多かったので、語彙力は相当ないといけないなと感じます。文章作成の問題もあるので、文章を書く練習をしておけばよかったかなと思いました。
就活の際には中国語力をアピールする大きな材料になります。ただ、この資格がどの程度のものかを把握していない(1級が1番上だと思っている)面接官も数多くいるので、面接の際には自分の言葉でどの程度語学力があるのかを説明しなければいけないなと思います。
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