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衣料管理士

昭和49年に制定された衣料管理士(TA)制度。大学教育によって知識と技術を習得した者に衣料管理士の資格を授与する制度です。現在、TA養成大学として認定されている大学は1級養成大学が16校、2級養成大学が21校あり、それぞれ大学教育の成果に基づいて資格認定がおこなわれます。テキスタルアドバイザーとも言われ、繊維製品管理のスペシャリストとして、企業からの需要も高い実用的な資格です。

資格詳細
衣料管理士は社団法人日本衣料管理協会が認定する民間資格で、テキスタイルアドバイザー、またはTA(Textiles Advisor)とも呼ばれます。繊維製品の企画・生産・販売を行う企業で、繊維製品に関する幅広い専門知識を活かしながら活躍するスペシャリストです。具体的には、衣料管理士として、商品企画や販売企画、分析やリサーチなどを行いますので、企業と消費者のパイプ役といえるでしょう。衣料管理士は日本衣料管理協会が認めた大学や短期大学での成果に基づき認定される資格であり、指定された科目の単位を履修することが必要です。資格は1級と2級があり、1級は指定単位が43単位以上、2級は28単位以上の履修が求められます。2023年度からは最終試験も実施しています。資格を取得したことですぐに就職に結びつくとは断定できませんが、アパレルメーカーや繊維素材メーカー、各種検査機関など、さまざまな業界で注目されつつある資格です。衣類関係の企業への就職や転職を考えている方は取得しておくとスキルのひとつとなるでしょう。

活躍場所
衣料管理士は、アパレルなどのファッション業界、検査機関、消費センター、行政、クリーニング、染色加工など、さまざまな企業や団体で繊維製品に関する幅広い知識と技術を活かして活躍することができるでしょう。

収入と将来性
勤務先の企業、雇用形態、役職などにより収入に幅が見られるので一概にはいえませんが、一般の平均的な年収とそれほど変わりがないと思われます。繊維製品の用途や目的はさまざまあり、社会の多様化によって、繊維製品に対する消費者ニーズや流行もめまぐるしく変化しています。このような状況下で、服飾商品の企画・仕入れなどに高度な専門知識が必要なため、企業と消費者の橋渡し役となる衣料管理士が求められているのです。繊維産業やファッション産業は、年々海外への依存度が高まっていますが、国内の総労働人口のおよそ10%が従事している産業です。衣料品の海外生産が増えているならば、より一層品質の高い商品を見抜く力がある人が求められるため、衣料管理士への需要は今後も高まっていくでしょう。

向いている人
衣料品の企画・設計、販売から、品質保証や消費者対応などを幅広く学べるため、アパレル業界で現在仕事をしている人、これからアパレル業界への就職または転職を考えている方におすすめの資格です。生地の手触りや機能性などを考えながら、デザイン力も必要な仕事のため、デザインセンスや発想力のある人にも適性があるでしょう。

取得方法
衣料管理士の試験は、認定されている大学・短大内での試験ですので、合格率は比較的高めとされています。必要な単位を履修していれば取得できるものなので、まずは真面目に授業に取り組むことが大切です。対策としては、教材をしっかり熟読し、理解しておきましょう。また、試験には論文があります。論文が苦手な方は、アパレル関連の情報を積極的に収集し、文章をまとめる力を養っておきましょう。



衣料管理士資格の難易度偏差値

1級 2級
偏差値44 偏差値38
簡単
超簡単
※資格難易度の偏差値は当サイトの独自のものです。毎年微調整していますので難易度が変わる場合がありますのでご注意ください。
※資格の偏差値(難易度)は人によって感じ方が異なります。より正確に知りたい場合は「偏差値より難易度(難関、普通など)」を参考になさってください。

履歴書に記載する場合の資格の正式名称

平成○年○月○日 ○級衣料管理士 認定
所轄・主催:
一般社団法人日本衣料管理協会
※履歴書に資格を書く場合は略称ではなく必ず日付を入れて正式名称で書きます。
※資格の内容によって「取得」や「合格」など明記が変わりますのでご注意ください。
※民間資格などはあまり知られていない資格や似た名前の資格が他にある場合は資格名の前に主催団体を記載した方がよいです。
※正確な情報は資格の所轄団体にお問い合わせください。

衣料管理士資格ガイド

資格種類 資格価値 資格タイプ おすすめ度 取得方法
資格種類の画像 資格価値の画像 資格タイプの画像 おすすめ度の画像 取得方法の画像
民間資格 特になし 特になし 前頭クラス 通学

衣料管理士試験概要

受験資格 日本衣料管理協会が認定する大学で所定の科目を履修した者
試験内容
1級

一般試験

・消費科学I
・論文
専門試験

・衣料学I
・衣料学実験I
・染色加工学実験I
・染色加工学I

2級

一般試験

・消費科学II
・論文
専門試験

・衣料学II
・衣料学実験II
・衣料試験法II
・被服構成学II
・被服デザインII
・被服衛生学II
・被服整理学II
・染色加工学II
合格率 98.4%(1級)
願書受付期間 9月
試験日程 11月
受験地 東京
受験料 5250円(1科目)
合格発表日 合格者に通知
受験申込・問合せ 一般社団法人 日本衣料管理協会
〒105-0011 東京都港区芝公園2-11-13-205
電話:03-3437-6416/FAX:03-3437-3194
ホームページ 一般社団法人 日本衣料管理協会|資格認定
http://www.jasta1.or.jp/qualification/qualification.html

衣料管理士のレビュー

(2件)
S
アパレル業界を目指す学生におすすめです

2021年12月21日
大学受験の際に衣料管理士という資格を知り、元々アパレル関連の仕事に興味があったこともあり
衣料管理士1級が取得できる家政学部に進学しました。

衣料管理士1級を取得するためには、所定の単位を履修する必要があります。
真面目に授業に取り組み、着実に単位を取っていけば、特別な勉強は必要ありませんでした。
資格取得のための必修科目は、素材から企画、流通に関する分野まで多岐に渡ります。
自分は文系だったため、特に繊維素材や加工技術といった理系科目に苦労しました。
繊維素材や染色加工に関する実験も必修科目となるため、化学や物理の分野に抵抗がある方は
苦労するかもしれません。
科目の中には衣料管理実習(アパレル企業や財団法人でのインターン)、論文試験などもあります。
論文を書くにあたっては事前に繊研新聞や書籍などでアパレル業界への見聞を広め、
試験に臨みました。

資格取得の労力の割に認知度は低く、就職活動において有利になった実感はありませんでした。
ですが、アパレル業界の企画や流通の分野も学ぶことができるので、
アパレル関連の仕事を目指している方にはいずれ役立つ資格だと思います。
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